Xperiaが充電できない原因は内部コネクタの接触不良!直し方を解説

XperiaZ1_SO01F_microUSB端子

Android端末のXperiaシリーズ(SONY)は、その人気と反して多くの不具合を抱えている機種でもあります。中でも一番多いトラブルが「Xperiaが充電できない!ランプも点かない!起動もしない!」というもの。

 Xperiaが充電できない!→割とよくある

「ある日突然Xperiaの充電ができなくなった」という事例は、Xperiaシリーズ販売当初から存在するトラブルの1つです。要は、ハード自体の造りがあまいので、USBポートの差込口が接触不良起こしたり、内部コネクタが接触不良起こしたりして、突然充電できなくなる。

充電関連のトラブルはシステムよりも端末に依存した不具合。つまり、ドコモショップに持ち込むと即お預かりの故障対応になり、端末をメーカーに送って内部のパーツを取り替えてもらわなくてはなりません。故障対応になれば、携帯保障サービス未加入の場合は当然有料。NTTドコモのバッテリー交換は9,800円(※Xperia Z1 SO-01Fの場合)請求されるので、これはかなり手痛い出費です。

Xperiaが充電できない原因

SONYのXperiaシリーズは従来のガラケーと違い、バッテリーの取り外しができない内蔵型モデル。リチウム電池の内蔵バッテリーは熱に弱く劣化も早いので、通常2年程度での交換が推奨されています。ただし、これは普通に使用した場合の話。

普段から頻繁にスマホゲームをしたり、CPU消費の激しいアプリばかり使用すると、さらに劣化が早まります。CPUを酷使すると熱によって徐々にバッテリーが膨らみはじめ、1年経つと急に充電できなくなる、充電が不安定になる、残量50%状態での強制終了が頻発するといった動作不良が生じやすくなるようです。しかし、「1年未満なのにXperiaが充電できない」という話もあります。このような場合、原因として挙げられるのが以下の4つ。

1. 充電ケーブルの断線

2. Xperia本体のマイクロUSBポートの接触不良

3. 内蔵バッテリーの劣化

4. Xperia端末本体の故障

1. ケーブルの脱線

まずは、ドコモのカスタマーサポートでも、ドコモショップでも、ネットでも馬鹿の1つ覚えてみたいに繰り返される「充電ケーブルの断線」について。

言っときますが、充電ケーブルが断線するなんて日頃よほど荒っぽい使い方をしていない限りありえない話です。よって、「Xperiaが充電できない?ならまずはケーブル買い直して試してください」は100%徒労に終わる。断言してもいい。ドコモショップ店員の言う「ケーブル買い替えてください」は、あれ完全にマニュアル対応ですから無視してください。

2. マイクロUSBポートの接触不良

XperiaZ1~Z3の本体側面には、充電ケーブル専用のmicroUSB接続端子(差込口)があります(Z4・Z5は本体下部)。

XperiaZ1_SO01FmicroUSB接続端子
画像:XperiaZ1 SO-01FのmicroUSB接続端子

このmicroUSB接続端子とACアダプタによる接触不良が原因で、Xperiaが充電ができないというケースも非常に多い。microUSB接続端子の接触不良は、普段から接続端子にアダプタを差しっぱなしにしてる人に起こりやすいトラブル。Xperiaの寿命を伸ばしたければ、充電器差しっぱなしは絶対にやめましょう。

充電できない原因がUSB接続端子の接触不良か否かを見分けるには、家電量販店やAmazonで「Xperia用マグネット端子交換アダプタ」を購入し、マグネット端子での充電を試すのが手っ取り早い。おすすめの交換アダプタは、ラスタバナナのRBHE234。ただし、これは端末側面にマグネット端子が搭載されているXperiaZ1~Z3にしか使えない方法です。

XperiaZ1_SO01Fマグネット端子
画像:XperiaZ1 SO-01Fのマグネット端子

2マグネット端子変換アダプタRBHE234_差込口画像:マグネット端子交換アダプタ RBHE234

5マグネット端子変換アダプタRBHE234_装着裏面画像:純正アダプタ装着後

RBHE234は、ドコモ純正のACアダプタに装着するだけでマグネット端子充電が可能になり、microUSBポートの防水用のキャップカバーのゴム破損防止にもなるという優れもの。オープン価格で1,300円くらいでした。商品レビューは以下記事からどうぞ。

ラスタバナナのXperia専用マグネット端子変換アダプタRBHE234

マグネット端子で問題なく充電できたなら、XperiaのUSB接続端子が損傷していると考えて間違いないでしょう。マグネット端子でも充電できないなら、次に疑うべきは「内蔵バッテリー劣化による充電不可の可能性」です。

3. 内蔵バッテリーの経年劣化

リチウム電池製の内蔵バッテリーは、経年劣化で徐々に膨らみ出し、Xperiaの背面カバーを押し上げてきます。試しに、水平な場所にXperiaを置いてみてください。背面がやや盛り上がっていたり、カバーの接地面が浮きあがってないでしょうか。もし背面カバーが浮いているなら、経年劣化によって内蔵バッテリーが膨らんだことが原因で、Xperiaが充電できなくなったと考えられます。

バッテリーが膨張したら、やることはもうバッテリー交換しかありません。ドコモのケータイ補償サービスに加入しているなら、ドコモショップかオンラインショップでバッテリー交換を申し込む。補償サービス未加入なら、9,800円出してバッテリー交換を頼む。あるいは、Xperiaがドコモの補償対象外になるのを承知の上で、交換用バッテリーを購入し自ら交換作業を行うかの3択です。

4. 内蔵バッテリーコネクタの接触不良

Xperiaの内蔵バッテリーには、バッテリー上部にあるカギ状パーツ先端に小さなコネクタが付いています。以下はXperiaZ1のバッテリー画像ですが、金色のパーツ先端に黒い物体がありますよね。これが問題のコネクタです。

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画像:XperiaZ1 SO-01Fのリチウムバッテリー(のコネクタ)

内蔵バッテリーのコネクタは、バッテリーと基盤をつなぐ役目を果たしています。が、実はこのコネクタが基盤と接触不良を起こし、Xperiaを充電できない状態にしているケースも多い。

通常、バッテリー残量がゼロの状態でも、電源ボタンを1度押せばXperia上部にあるランプはチカチカ!と赤点滅します。しかし、内蔵バッテリーコネクタが接触不良を起こしていると、電源ボタンを押してもランプが点かず、振動もしません。これはコネクタの接触不良によって端末自体が仮死状態になっているためです。

このような場合は、一度端末のリフレッシュを行えば、Xperiaはすぐに復活し充電もできるようになります。Xperia内のデータも、もちろんそのまま残っています。

Xperiaが仮死状態(=文鎮化一歩手前)にある時は、充電アダプタと繋いでも当然うんともすんとも言わず、電源ボタンを押しても無反応。あまり機械に詳しくない人は、この時点で「Xperiaが文鎮化した!」と思い込み、焦って初期化したりドコモショップに言われるままメーカー送りにしたりして、Xperia内のデータを丸ごと吹っ飛ばしたりします。

焦って余計なことをすると却って取り返しがつかなくなるので、充電できないときも平常心を保ち、以下の図解を参考にして切り分けを行ってみてください。

Xperiaが充電できないときの切り分け

Xperiaが充電ができないときはどうするか……そうです!慌てず騒がず、1つずつ原因を潰して切り分けを行うのです!図解も作ってみたので、ぜひお使いください。

【Xperiaの充電不可の対処法・図解】

1 Xperiaが充電できない

①電源ボタン長押しで赤色のランプは点くか?

まず最初に試してほしいのが、電源ボタンの長押しです。電源ボタンを5秒長押ししてください。ランプが赤色でチカチカ!と点滅しましたか?

ランプが点滅したら、そのままACアダプタをmicroUSB接続端子に差し込んで5分待機しましょう。5分後、再び電源ボタンを5秒長押ししてXperiaが起動したら、そのまま充電を続けてください。ランプが点滅・点灯しない場合は以下②の「電源ボタンとボリュームアップボタン長押し」に進みます。

赤ランプは点くがXperiaが起動しない場合は、ACアダプタを差し込むmicroUSB接続端子が破損し、接触不良を起こしている可能性が濃厚。ACアダプタのコード根本を指で軽く曲げてみたり、充電アダプタを奥までしっかりと差し込んで、また5分様子をみましょう。5分後、再度電源ボタンを5秒長押ししてもランプが点滅・点灯しない場合は、以下②に進みます。

②電源ボタンとボリュームアップボタンを長押し

①の「電源ボタン長押し」で赤ランプが点滅・点灯しないときは、Xperiaの側面にある電源ボタンとボリュームアップボタンを同時に5秒長押しします。ブルッと端末が震えたらまだバッテリー容量が残っている証拠。ACアダプターをmicroUSB接続端子に差し込んで5分待機します。

電源ボタンとボリュームアップボタンを同時に長押ししてもXperiaが振動せず、赤ランプも点滅・点灯しない場合は、完全に内蔵バッテリーコネクタの接触不良です。こうなるとSIMカード差し込み口の下にある赤いリセットボタンを押しても改善する見込みはゼロ。一度背面カバーを外して内蔵バッテリーコネクタをはめ直さなければ充電できません。

内蔵バッテリーコネクタの接触不良は、普段からよくXperiaを落とす人や、Xperiaにケースをつけず端末に衝撃を与える人に起こりやすい症状です。つまり、Xperiaを落とした衝撃で、内蔵バッテリーのコネクタが少しずれたり、外れかかってしまうとか。

電源ボタンを長押ししても赤ランプが点滅・点灯しない場合、そしてブルッと端末が振動しない場合は、内蔵バッテリーコネクタの接触不良が原因でXperiaが充電できないと考えてよいと思います。Xperiaの背面カバーと中蓋をそれぞれ外してコネクタをしっかりと押し込めばXperiaの充電トラブルは解決するのですが、背面カバーを外す行為は「Xperia端末の分解」とみなされ、ドコモの補償対象外となります。もし自分で行うときは自己責任でお願いします。

※XperiaZ1背面カバーの開け方、中蓋の外し方、コネクタの外し方は以下記事内で解説していますのでご参考に。

熱暴走で誤動作起こすXperiaを端末リフレッシュで直そう(過去記事)

故障したXperiaZ1 SO-01Fを分解してデータを破壊する(過去記事)