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最遊記 RELOAD BLAST3巻のあらすじと感想!キーマンは賽太歳?

首を長くして待っていた最遊記 RELOAD BLAST3巻 (ZERO-SUMコミックス)!今回はそのBLAST3巻のあらすじと感想を、私の個人的な見解を交えつつご紹介!当然のようにネタバレがありますので、未読の方はお気をつけて。

最遊記 RELOAD BLAST3巻収録内容

  • shot,4 恒天7
  • shot,4 恒天8
  • shot,4 恒天9
  • shot,4 恒天10
  • shot,4 恒天11
  • 最遊記 RELOAD 「雪山」※コゼロサム収録
  • 最遊記 RELOAD BLAST設定集

※電子書籍版には、本体表紙・裏表紙、背表紙、カバー折り返し・カバー裏表紙データも収録されています。

最遊記 RELOAD BLAST3巻のあらすじ(ネタバレ有)

shot,4 恒天 第8話

BLAST3巻は恒天城襲撃の4日後からスタート。紅孩児の炎獄鬼に右上半身を焼かれた玄奘は八戒の治療で一命を取りとめます。が、右腕を動かすには相当なリハビリが必要という絶対安静状態。悟空は滾々と眠り続ける玄奘の側にいる……のかと思いきや、「三蔵が命懸けで守ったんだから、オレにできる事をやっとく」と言い、恒天城の普及作業や恒天部隊の周辺パトロールに参加していました。

その頃、恒天城の一室に集まっていた紗楽、波珊、八戒、悟浄の元へ、旭影殿から伝書を携えた鷲がやってきます。伝書の中身は、「紗烙三蔵及び玄奘三蔵一行、貴殿の任に於ける緊要な通達が生じた故、至急、旭影殿は三仏神謁見の間まで参られたし」。

ちなみに、旭影殿からやって来た「鷲」の正体は賽太歳です。

賽太歳は天界から派遣された「代々の三蔵法師の監視役」で、様々な獣に変化する能力を持つ異形の神。三蔵法師の側に分身(傀儡)を放って彼らを常時監視しており、玄奘三蔵一行のことも鷲の姿で空からずっと監視していました。無印最遊記、最遊記 RELOADで頻繁に出てきた「ジープ走行中の空撮カット」は、この鷲(賽太歳)の視点だったというわけですね。

そして、三蔵法師の監視役ということは、烏哭三蔵(你健一)の側にも分身を放っていたということ。吠登城には賽太歳によく似たジジイ口調の人物が1人いましたね?そうです、王老師です。この老人こそが賽太歳の分身なのです。

BLAST3巻中盤、王老師は黄博士との会話の中で「あの男(你健一)がおらんとワシらも仕事にならんからの」と言ってます。これは暗に監視任務のことを言っているのでしょう。

賽太歳は烏哭三蔵法師が你健一として牛魔王蘇生実験に加担していたことを把握していた。しかし、BLAST3巻中盤では三仏神が「いや、それ(烏哭の加担)は我々も聞き及んではいなかった」と答えています。

天界から派遣された賽太歳が烏哭を監視していたにも関わらず、三仏神は烏哭が牛魔王蘇生実験に加担していたという事実を知らなかった。ということは、賽太歳が天界に報告していないか、もしくは天界上層部が意図的に情報を隠しているかです。もしかして、天界上層部(というか釈迦如来?)は牛魔王サイドと何か繋がりがある……あるのか?

訳わからなくなってきたので話を本筋に戻しましょう。絶対安静の玄奘は恒天城に留めおき、紗烙と自分たちだけで向かおうと提案する八戒。しかし、そこへ包帯ぐるぐる巻きの玄奘が姿を現します。玄奘は、三仏神に哪吒のことを尋ねるため、そして右手のリハビリのため旭影殿に向かう気満々。

ジープで山を駆け駆け、旭影殿に到着した玄奘三蔵たち。彼らを出迎えたのは、占星術を用いて国の行く末をはかることを生業とする予言者「クマリ」の少女、名は「タルチエ」。タルチエの口から発せられた第一声は、最遊記でもお馴染みのあの口上でした。

「――詩に曰く、

混沌未だ分かれずして 天地乱り

茫々渺々として人の見る無し

盤古の鴻濛を破りしより

開闢して茲従り清濁わかる

群生を覆い載せて 至仁と仰がれ

万物を発明して皆善と成す」

ここでタルチエが引用しているのは、大田辰夫,鳥居久靖訳:『中国古典文学体系31 西遊記 上』,(平凡社,1971)。現在絶版なので、興味を持った方は平凡社のサイト(こちら)から、どしどしリクエスト送ってください。

さて、玄奘三蔵一行に向かって「命運は近く尽きる」と、いきなり不吉な予言を授けるタルチエ。が、神も仏も口出し無用を地で行く玄奘は「無関係な者に忠告を受けた程度で、今更引き返せやしない」と、予言をはねつけます。タルチエはこの台詞に対して「無関係ではない」と言い、魔天経文の本来の継承者が自分の血縁者であることを告げます。

玄奘、光明の前に魔天経文を守護していたのは「天恢三蔵」。つまり、その天恢とタルチエが血縁関係(タルチエが双子の妹)なんですね。タルチエは妖怪の親から生まれた突然変異体質で、斉天大聖に近い生命体とか。この辺の話は今後、最遊記異聞ともリンクしそう。

マニ車を回しながら、三仏神の間に向かう玄奘三蔵らを見つめているタルチエ。彼女はまた「五百年前と同じ軌道を繰り返すだろう」と不穏な予言を残します。

場面変わって、三仏神に謁見する紗烙と玄奘三蔵一行。紗烙から哪吒について問われた三仏神は、天界における西・東方軍と闘神の役割を説明。哪吒の覚醒についても、おそらく牛魔王蘇生実験の影響ではないかと推測します。そして三仏神は最後に今回の本題「天界上層部からの勅命」を言い渡すのでした。その勅命とは「『牛魔王蘇生実験阻止』の任務を闘神哪吒太子に全権移行し、玄奘三蔵一行を離任させる」こと。

shot,4 恒天 第8話

理不尽な勅命に絶句する玄奘たち。悟空、悟浄は一方的な決定に声を荒げますが、八戒は「哪吒との共闘ではなく撤退」を命じられたことに対して疑問を抱いた様子。もちろん玄奘も「その威令、理解致しかねる」と離任を拒否します。

三仏神は玄奘三蔵一行の憤懣に理解を示しつつも、「これまで何度も生命の危機に陥り、資金を湯水のように浪費しておいて」と、彼らの素行をチクリ。なおも食って掛かる三蔵一行をピシャリとはねつけ、タルチエの先見がある以上、敗北がみえてる者たちを行かせるわけにはいかないと取り付く島もありません。三仏神が一方的に話を打ち切った瞬間、玄奘はまだ治っていない右手で衝動的に銃をぶっ放します。

ここ、よく見るとまだ右手に火傷痕あるんですよね。そして玄奘のこめかみにピキピキ青筋が立っていることから、怪我を忘れるほどの激しい憤りで衝動的に手が出た、ということが分かります。

葬式テンションで旭影殿を出る紗烙と玄奘三蔵一行。が、重傷の右手を使ったせいで玄奘はその場にベシャッと倒れます。悟空に担がれジープに運ばれる玄奘を見つめる紗烙は、彼が聖天経文を取り戻すため西へ向かっていることをすでに察しています。同時に、玄奘三蔵一行の罷免と、哪吒の行動についても違和感を感じていました。なぜ今更タルチエの先見に倣う形で強制的解雇に及んだのか。闘神哪吒が本当に牛魔王の討伐をするつもりなら、何故吠登城ではなく恒天城に降り立ったのか。

一方、天界の三仏神たち。彼らは「上層部の決定に承服しかねるのは我らとて同じ」と、その本音を吐露。権限を持たない三仏神は、釈迦如来への直訴を試みるという観世音菩薩にすべてを委ねていました。しかし、その観世音菩薩は「観世音がサシでナシつけてえんだとな」と釈迦如来の元へ乗り込んだ直後、(おそらく釈迦如来に)捕らえられ、散々にボコられて蓮池に打ち捨てられているという……。

玄奘に鎮痛剤を打って休ませている間、近場の村へ視察に行く紗烙たち。悟空、悟浄、八戒は、ジープの車上で今後についての話し合いを開始します。八戒は、三蔵は聖天経文を取り戻すため単独でも吠登城へ向かうだろう、悟空ももちろん三蔵に同行しますよね?と意思確認。八戒の問に対して迷いなく「うん」と答える悟空さん、さすがです。そして自分も同行するが、悟浄はここで引き返したほうがいいとか言うんですね(笑)

八戒は、負の波動による痣の出現と、それに伴う悟浄の体調の変化を誰よりも気にしています。が、八戒の言い方が気に食わない悟浄は「いい加減にしろよ!?」とブチギレ。もうガチギレですよ、いい歳した大人が(笑)2人は大声で口喧嘩をおっ始めますが、そこへ「嘘が下手なんだよテメーは」と泣く子も黙る三蔵サマの一声が。

いつの間にか復活していた玄奘が、悟浄の後ろ髪をグッと引っ張る。ここでようやく、三蔵一行全員が悟浄の首に出現した痣の存在に気づいて、アーーーッ!

shot,4 恒天 第9話

八戒の一連の発言は、妖怪である自分と悟浄が、三蔵一行にとってのリスクでしかないと考えた末に出た言葉でした。もし悟浄が負の波動の影響で暴走しても、自分にはきっと殺せない。玄奘なら躊躇なく殺せるだろうが、そうなれば自分は彼と敵対してしまうだろうと。このとき八戒が思い出しているのは、死別した姉・花喃の姿です。いわく「もう悔み続けるのは真っ平」。

が、それでも2人の口喧嘩はおさまりません。玄奘は「……もういい お前ら二人ともここで降りろ」と言い放ち、両人を足手まとい扱い。相変わらず短気ですね。その後「運転なんか誰にでもできるからジープは置いていけ」と続けるのですが、この発言にキレたのが悟浄。玄奘に掴みかかり、その頬(※ちゃんと左。優しい)を殴ります。

悟浄と玄奘の殴り合いがヒートアップする中、喧嘩に加わらず2人を止めようとアワアワしている悟空。すると、見かねたジープが自らの意思で車体を傾け4人を地面に振り落とします。言い合いをやめる4人。八戒は頭を冷やすため、「…すみません、一本貰えます?」と玄奘に煙草を所望。き、貴重な八戒の喫煙シーン!

shot,4 恒天 第10話

煙草を吸っている八戒の肩を小突く悟浄。妖怪化を自覚すれば疑心暗鬼に囚われる瞬間がままあるのだ、と語る八戒に、悟浄は「向こう側に持っていかれそうなときに引っ張り戻せる命綱を置いてくバカがいるか」と語りかけます。これ、実際にVS斉天大聖で自我を失いかけてた八戒を正気に戻した悟浄だからこそ言える台詞ですよねえ……。で、「すげーカッコ悪いですね、僕」「俺がカッコイーーーだけだから」と、どこかでみたようなやり取り。

この外伝を彷彿とさせるやりとりは、「五百年前の軌道を繰り返しつつある」という演出でしょうか。もしそうなら、BLAST2巻P53の玄奘「こっちの台詞だ」発言も、外伝3巻の金蝉を意識しているのかな?かなかな?

三蔵一行の喧嘩が一件落着したとき、村からドオォン!という激しい爆発音が。紗烙が視察へ向かった村、それは妖怪たちがひっそりと暮らす集落でした。妖怪の殲滅を目的としている哪吒がこの村に降り立ち、村人たちを「処分」しようとしたのです。

紗烙が説得を試みるも、聞く耳を持たず攻撃を放つ哪吒。紗烙は恒天経文で攻撃を防ぎ村人たちを護ります。そしてまた哪吒を説得しますが操り人形である今の「黒哪吒」がそれに応じるわけもなく……。

ついにキレた紗烙は法術で哪吒の動きを封じますが、彼は多数の式神(悉曇ズ)を召喚し攻撃を続行。紗烙と恒天部隊の面々は式神と激しい戦闘を繰り広げるも、圧倒的な力の前に為す術なし。その圧倒的な力をもって、哪吒は紗烙に「撤退か死か」選ぶように迫ります。意地でもどかないと言い放った紗烙へ、トドメの一発を放とうとした、まさにその瞬間、哪吒の横っ面をかすめた1発の銃弾!

「俺らも混ぜてくんなーい?」と、緊張感ゼロの台詞で登場する我らが玄奘三蔵一行!玄奘は両利きなので、ここでは左手で銃を構えています。哪吒に対して「第三十一代唐亜玄奘三蔵一行」と名乗るの最高にシビれますね。

牛魔王蘇生実験阻止の任を解かれた玄奘たちは、哪吒に私怨をふっかけ、わざと煽るような言動をして村人から注意を逸します。その結果、妖怪である悟浄と八戒が哪吒に「敵機」認定され、めでたく玄奘三蔵一行VS哪吒の図式が成立!哪吒は優先順位を一行の排除に切り替え、式神たちと襲いかかってきます。さあ~盛り上がってまいりました~~!

shot,4 恒天 第11話

式神を連携プレーであっさり片付けていく玄奘たち。しかし哪吒本人には手も足も出ません。が、何度倒されても「余所見してんじゃねぇよクソガキ」と起き上がり、軽口を叩きながら哪吒へ突撃!まるで相撲のぶつかり稽古のようです(笑)そんな4人を見て「コイツらアタマおかしいんじゃないのか」とドン引きする波珊、「これがたった四人でここまでを生き抜いて来た男たちか」と感心する紗烙。

魔界天浄を目くらましに使い、哪吒に一撃叩き込む悟空!が、その寸前、悟空の瞳には「木に登って鳥の巣を探している幼い自分と哪吒の姿」が。このP153の金晴眼のアップ本当に美しいですよね。BLAST3巻で一番好きなシーンです。

悟空が玄奘の方を振り向いた瞬間、背後で再び哪吒が起き上がり悟空の首めがけて刀を振りかぶります。しかし寸前で刀がピタリと静止。哪吒が糸の切れた人形のようになり、「ーーー…ご く う」と。悟空は咄嗟に哪吒の手を掴もうとしますが、触れたと思った瞬間、その身体が霧散。悟空が手のひらを開くと、そこにあったのは1枚の桜の花びらでした。

さて、哪吒との戦闘を終え旭影殿へ戻ってきた三蔵一行。血だらけのまま三仏神に謁見し、玄奘は「任務罷免の件は甘受したけど、西域遊行を兼ねて少し暇を希いたい」と申し出ます。まあつまり、罷免されようが俺たちは俺たちで勝手にする、というのを餃子の皮100枚くらいに包んで言ってるわけですね。発言を聞いた三仏神は呆れ顔。しかしその表情はどこか優しげでした。

旭影殿を出た瞬間、力尽きて地面に倒れる三蔵たち。恒天部隊にエッチラオッチラ運ばれ、また恒天城へ逆戻り。そして場面は再び天界。観世音菩薩を探し歩いてた次郎神が蓮池に目をやると、そこには血まみれで倒れている観音が……!アッーーーー!独角の次は観世音菩薩がーーー!!ここで最遊記 RELOAD BLAST4巻に続く!!

最遊記 RELOAD「雪山」あらすじ

雪山で遭難した玄奘三蔵一行が、凍死しないよう全員でプロレスをする話です。悟浄にキャメルクラッチをかける悟空と、エビ固めをキメる玄奘が見られます。八戒?奴はレフェリーです。

最遊記 RELOAD BLASTキャラクター設定集(盛大にネタバレ)

そしてさらに!本編とミニ漫画の後には、最遊記 RELOAD BLASTの設定集が収録されています。BLAST3巻は巻末特典がやけに豪華なんですが、これはあれだな……?pixivコミックで先行公開し盛大にネタバレしたから、一迅社は最遊記 RELOAD BLAST3巻あんまり売れないと思ってるな……?このキャラ設定ページに掲載されているイラストについて簡単にご紹介します。

■玄奘三蔵(フィギュア制作用の体型見本。法衣バージョン前・後、インナー前)

■タルチエ(公務スタイル前・後、横顔アップ)

■旭影殿の僧侶達(袈裟服の前・後)

■玉面公主(BLAST版衣装の前、うなじアップ)

■紗烙三蔵(法衣の前・後、インナー前、バストアップ)

■恒天部隊(隊服見本の前・後、隊服についている両胸と背中の紋アップ)

■賽太歳(衣装の前・後、横顔アップ)

■哪吒太子(黒哪吒衣装の前・後)

■悉曇ズ(衣装の前・後)

というわけで、大・大・大ボリュームの最遊記 RELOAD BLAST3巻、堪能しました……。BLAST3巻前半はpixivで本誌掲載版が先行公開されましたが、かなり修正入ってるので、やっぱりコミック買ったほうがいいわこれ。

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