アイデア

自治体と法テラスの無料法律相談を利用したときの体験談

全国の自治体、そして法テラスが行っている無料法律相談。離婚やDV、消費者トラブルをはじめ、あんな事からそんな事まで幅広く相談に乗ってくれることから、困った市民の強い味方。私がそんな無料法律相談を利用したときの体験談です。

不当請求に関して相談に行ったわけですが…

昨年、携帯電話会社から不当な請求をされたため、法律無料相談を2回利用しました。1回目は自治体が主催する無料法律相談、2回目は法テラスが行っている無料法律相談です。

携帯会社との交渉は消費者生活センターを通じて行っていましたが、携帯会社が自社の正当性を延々主張し続けるため、「このまま交渉を続けても和解は難しいでしょうね」と二ヶ月ほどで斡旋の打ち切り。センター職員に「一度、法的な見解を聞かれてみては?」と勧められたのが、無料法律相談を利用したきっかけでした。

自治体主催の無料法律相談の体験談

自治体の無料法律相談は、月に1~2回程度、決まった曜日に開催されてます。これは全国どこの自治体でも同じようですね。法律相談の時間は1回30分と短め。しかし、前日までにトラブルの概要・質問事項などをA4の紙にまとめておき、当日スムーズな伝達ができれば、30分でも十分な時間なように思われます。

自治体主催の無料法律相談を利用するには

無料法律相談を利用するには、「その自治体に住民票があること」が条件。この条件さえ満たしていれば誰でも利用することができます。私の住む自治体では、まず役所の総務課に電話予約を行い、指定された日時に開催場所(役所内の会議室)へ出向く、という形になっていました。

無料法律相談開催場所に行くと、まずはじめに消費者センターの職員から相談内容の聞き取りが行われます。私はトラブル発生後、ずっと消費者センターに相談を行っていたので、ここはサラッと事実確認をするだけ。ちなみに、職員は法律相談にも同席します。

弁護士に不当請求の相談をする

私の無料法律相談を担当してくださったのは男性の弁護士で、年齢は35歳前後。おそらく弁護士の中では若手の方。挨拶を済ませたあと、「不当請求をされました」という話を時系列に沿って説明し、相手方が返金に応じなければ民事訴訟の申立てをするつもりだ、と相談しました。そのさい、不当請求の金額が分かる請求書と、トラブルの概要が分かる自作のA4紙も提出。これらの書類にもしっかり目を通してくれるので、わかりやすく説明する自信がない方は書面を持参したほうがいいかもしれません。

しかし、頼りになるはずの弁護士先生は、うんうん唸って頭を抱える始末。「そう、そうですねう~ん……」とブツブツ呟き、私が持参した請求書を見て、ずっと唸っていました。結果、10分使って私がトラブルの説明をし、その後、弁護士先生が5分ほど調べ物をして、「調停やったら?」という結論を出し、無料相談は終了。離婚・DVなどの「よくある相談」は慣れているけれど、不当請求などの相談には慣れていない感じでした。

法テラスの法律無料相談にも行ってみた

次に利用したのが、法テラスが行う無料相談です。法テラスは資産額などの条件を満たしている人に限り、無料法律相談を行なっています。相談時間は自治体主催の無料相談と同じ30分。土日・祝日以外、ほぼ毎日法律相談を開催しているので、スケジュール合わせやすいというメリットもあります。

法テラスの弁護士に相談する

法テラスの無料法律相談に申し込むには、まず自宅最寄りの法テラス事務所に直接電話をかけ、無料相談を利用したい旨を伝えましょう。あとは希望日時を伝えるだけです。所得額について聞かれますが、◯◯円以下です、と口答で伝えるだけでOK。当日、特に所得額証明などは必要ありません。

無料法律相談当日、法テラスに行くと受付で氏名、住所などを記入したあと、番号札を渡されます。その後、指定時間になれば弁護士から番号を呼ばれるので、部屋に入り、30分の無料法律相談開始。私は法テラスにも、自治体の無料法律相談に持参したA4紙(トラブルの概要をまとめたもの)を持参したんですが、法テラスの弁護士は書面を読んではくれませんでした。そういう規定なんでしょうか?最終的に、法テラスでも民事訴訟を提案され、自治体の法律相談と似たような案内をされました。

無料法律相談を利用するさい大事なのは「タイミング」だ

無料法律相談を利用する人の多くは、私のように自力で和解交渉をしたが決裂した、あるいは消費者センターや国民生活センターで相談をしたものの解決に至らなかったため調停や訴訟を検討するに至った、というケースが多いようです。

しかし、調停や訴訟の申し立てをした経験がなく、民事裁判一般の知識が皆無の状態でいきなり自治体の無料法律相談を利用するのは時期尚早だな……というのが私の感想です。右も左も分からない状態で無料法律相談を利用しても、弁護士は結局当たり障りない回答しかできないのだろうな、と思いました。

いきなり無料法律相談へ行くよりは、まず近隣の簡易裁判所に行き、そこで軽く書記官に相談をし、申立書や準備書面を作る段階になってから無料相談を利用するほうが良いと思います。私は自分で民事調停の準備書面を作成しましたが、そのとき「ここはどう書くべきか?」「何を争点にすると自分とって有利になるのか」など、不明点がわんさか出てきましたから。具体的な質問が出来る段階で無料の弁護士相談を利用すれば、調停・本人訴訟の準備もかなり楽になるのではないでしょうか。

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