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不認定ありの場合、雇用保険の個別延長給付は99%認められない

職場を「会社都合」で退職し、雇用保険受給期間中終了時点で未就業の失業者に適用される「個別延長給付」。ただし、実績不足による不認定が1つでもあった場合、例外なくこの対象者から外されることになります。
ネット上には「不認定があっても職員に相談すれば延長される」という情報もありますが、これは非常に稀なケースで、可能性は1%以下と考えてよいでしょう。99%の人は個別延長給付対象外にされ、支給を打ち切られます。実は、私も以前自分のうっかりミスで実績不足をやらかし、対象外にされた一人。今回はその経験を元に、個別延長給付を確実に受給するためにはここが大事!という部分を挙げてみます。

雇用保険の個別延長給付の概要

職場を「会社都合」で退職した場合、就業期間に応じた雇用保険が支給されます。雇用保険支給期間中は積極的に就職活動を行なうことが必要ですが、地域格差による求人不足や不採用が続き、給付期間終了時点で未就職の失業者もいます。そんな失業者に対する一時措置として適用されるのが、「個別延長給付」。個別延長給付は、実績や不認定がなく、積極的な就職活動を行っている失業者に、雇用保険支給の終了日から支給を60日延長する制度です。

実績不足や不認定が1つでもあると、対象からは外される

雇用保険支給中は、28日ごとに認定日が設けられています。指定された認定日には、期間中に行なった求職活動内容を雇用保険受給資格書に記し、ハローワークに提出しなければなりません。積極的に求職活動をせず、実績が2回未満なら「実績不足」という扱いになり、28日分の雇用保険は支給されず翌月に持ち越されます。また、認定日を間違える・忘れるなどしてハローワークに行かなかった場合は、「不認定」の扱いになり、やはり該当期間の雇用保険は支払われません。

雇い止めなどの会社都合で退職した失業者は「特定理由離職者」に該当します。特定理由離職者は個別延長給付の対象になりますが、前述した「実績不足」や「不認定」が1度でもあると、例外なく、即時対象者外に。これは、個別延長給付の対象にならない場合として、「不認定」に関する以下2つの条件が定められているためです。

個別延長給付の対象とならない場合

  1. 求職の申し込みをした日から支給終了となる失業認定日の前日までに求人の応募回数が規定の回数に満たない場合
  2. 所定の求職活動実績がないことで失業認定日に不認定処分を受けた場合
  3. やむを得ない理由がなく、指定の失業認定日に来所しなかったことにより不認定処分を受けた場
  4. 雇用失業情勢から労働市場の情勢から、現実的でない求職条件に固執される方
  5. 正当な理由なく、公共職業安定所の紹介する職業に就くこと、支持された公共職業訓練を受けること、再就職を促進するために必要な職業指導を拒んだ場合

ネット上にはごくまれに「不認定があっても個別延長給付が認められた」という報告があり、Yahoo!知恵袋にも同じような回答がいくつか見受けられます。しかし、これは非常に稀なケースであり、ほとんどは対象者から外されます。たとえ企業への応募・面接を規定数行っていたとしても、何かしらの不備で不認定になってしまえば個別延長給付の対象から外され、それが覆ることはほとんどありません。実際、私もそうでしたから。

雇用保険受給資格書
求職活動実績が足らず、個別延長給付対象外になったときの雇用保険受給資格書

ネットの情報を鵜呑みにして「ゴネれば大丈夫だろう!」と思って悠長に構えていると、かえって自分の首を締めるだけ。不認定は自分のミスですから個別延長給付は潔く諦め、積極的に就職活動をするようにしましょう。

個別延長給付が認められなかったときに利用したい制度

個別延長給付の対象者から外され、未就職のまま雇用保険の受給が終了してしまったとき、給付金を受けることができる主な制度は以下の2つ。

求職者支援制度

雇用保険を受給できない求職者が無償で職業訓練を受講できるのが「求職者支援制度」です。訓練受講中は、ハローワークが提示する一定の支給条件(無欠席など)を満たしていれば、前職の給与を元に計算された職業訓練受給寄付金が支給されます。実施される訓練は地域や時期によって異なるため、自治体のホームページやハローワークの訓練窓口で確認しましょう。

求職者支援制度のご案内 |厚生労働省

住宅確保給付金

求職者支援制度で希望する訓練がなく、金銭的に困窮している人にハローワークが勧めているのが住宅確保給付金です。住宅確保給付金は市の管轄になりますので、ハローワークで申し込むことはできず、市役所や区役所での手続きとなります。

住居確保給付金は、離職などによって住宅を失う恐れがある方に対し、3ヶ月ごとに家賃の一部を支給する制度。適用されるには、申し込み月の家賃・収入が8.4万円以下(単身者の場合)であることが条件です。もし求職中に内職やバイトなどを行っており、家賃と収入の合計が8.4円を超えてしまった場合は、支給額が減額になります。支給額は、単身者であれば3万円程度になるとのこと。

「3万円もらえるならラッキー!」と思うかもしれませんが、住宅確保給付金には申請すればタダで貰える訳ではなく、以下の条件を満たして初めて支給されるものです。

  1. 役所の就労支援員との面談(月4回)
  2. 企業への求人応募
  3. ハローワークでの職業相談

さらに、支給額は「家賃」として市から直接住んでいる管理会社へ振り込まれるため、管理会社に生活が困窮していることを知られるといったリスクも。利用する際はよくよく考えてからにしましょう。

生活困窮者支援制度概要 |厚生労働省

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