はじめての民事調停【手続き編】

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昨年、私は近隣の簡易裁判所で民事調停の申し立てを行いました。相手方はNTTドコモ。当然ながら民事調停を行うのは初めてで、手続きや提出書類に関して分からないことも多く、書類では訂正・修正を連発しました。今回は、これから「はじめての民事調停」をする人の参考になればと思い、自らの体験談を交えつつ、民事調停の手続きを解説したいと思います。

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1、トラブルの発端

今回、民事調停の相手方にしたのはNTTドコモ株式会社。2015年、私はNTTドコモから携帯電話のパケット料金に関する不当請求を受け、返金を求めて自主交渉を続けました。その後、消費者センターに斡旋を依頼し、それでも解決の目処がつかなかったため民事調停を決心。自主交渉の内容、NTTドコモの対応等については以下記事内に書いておりますので、よければご覧ください。

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2、消費者センターに行く

自主交渉での解決が難しいと悟った私が頼った場所、それが消費者センター。消費者センターは全国の市役所・区役所内に窓口が設置されていますが、最近は非常勤職員が多くなっているので、電話したとき担当職員不在で情報伝達がスムーズにいかない場合も多いようです。私の場合もそうでした。

消費者センターは斡旋機関に過ぎないので、相手方が「応じない」と強固な姿勢を取ればそれまで。NTTドコモは、返金はもちろん、情報提供にも「前例がないから」の一点張りで全く応じませんでした。大手企業はどこも強気な姿勢をとるので、不当請求トラブルは消費者センターを利用しても、ほぼ解決できないと思っておいた方が良いでしょう。

解決しないと分かっているのに、なぜ消費者センターを利用するのか?それは、調停を行なったときに「申立人(自分)は今回のトラブルを解決するため、あっちこっち走り回って手を尽くしましたよ」と裁判官にアピールするためです。何度も話し合いを重ね、消費者センターでも解決できなかったから、苦渋の決断で調停の申し立てをしたんですよ!という無言の主張をするんですね。

そして、消費者センターが行った斡旋記録は、近隣の文書館で「情報公開請求」をすれば書面で取り寄せることができます。この書面は民事調停や訴訟をするさい、大いに役立ちます。

3、簡易裁判所に行く

自主交渉、消費者センターでも解決できなかったので、私はついに民事調停を決心。民事調停の申し立てをする!と決めたら、まずは近隣の簡易裁判所に行きましょう。ネットや書籍には、よく「簡易裁判所は書類の書き方しか教えてくれない」と書かれていますが、決してそんなことはありません。

今回、私は民事調停に関して本当に何の知識もないまま、いきなり簡易裁判所の担当窓口に突撃しました。「民事調停の申し立てをしたいんですが……」と、フワッとした相談をした私ですが、窓口の書記官はしっかりヒアリングをしてくれたし、トラブルの内容を把握したうえで、「すでに支払いを済ませているなら、不当利得返還請求になりますね」という案内をしてくれました。

4、必要書類を準備する

裁判所に行き、窓口で説明を受けたあとは、民事調停の申し立てに必要な書類を用意しなくてはいけません。今回の民事調停では、以下の書面を用意しました。

  1. 調停申立書(申立書1枚・「紛争の要点」を必要枚数)
  2. 証拠書類(契約書や利用明細など、具体的な金額が分かるものが望ましい)
  3. 登記事項証明書(相手方が企業の場合に必要。1部につき600円)

1の調停申立書の書式と記載例は裁判所のサイトにありますし、近隣の簡易裁判所でも雛形をもらえるはずです。

2の必要書類は、料金明細や前述した消費者センターの斡旋記録など。

3の登記事項証明書は、相手方が企業の場合のみ必要になるもので、近隣の法務局に出向いて発行してもらう必要があります。相手方企業の住所が分かる書類を持って法務局へ行き、係員に尋ねてみてください。

必要経費(印紙・切手代)

民事調停の申し立てをするさい、手数料と切手代も必要になります。切手代は、相手方に調停申立書などの書面を送るとき必要になるもの。手数料は相手方に請求する金額によって額が変わり、印紙として納めます。切手と印紙は簡易裁判所内の売店で購入できるので、窓口で書記官に額を算出してもらいましょう。

5、必要書類を書く

5-1 調停申立書

調停申立書はA4サイズの紙です。簡易裁判所でもらうことができ、書き方もその場で教えてもらえます。下記サイトに申立書の記載例があるので、こちらもご参考まで。

申立書
出典:http://www.courts.go.jp/chiba/saiban/tetuzuki/l4/Vcms4_00000322.html

参考裁判所|申立て等で使う書式例(千葉簡易裁判所)

調停申立書は、まず鉛筆で下書きしてから窓口へ持っていき、そこで書記官(担当者)に確認してもらいます。書記官から分かりにくい箇所を指摘されるので、消しゴムで消し、ササッと書き直しましょう。訂正・誤りがなく、書記官からOKが出れば必要部数コピーをとります。コピーは、

  1. 裁判所の控え
  2. 相手方送付用

の2部必要です(※コピー機は裁判所内にもある)。鉛筆で自筆したものは、自らの控えとして保管しておきます。この辺も、しっかり窓口で教えてもらえるので心配は要りません。

■相手方とは……

民事調停では、調停を起こす人を「申立人」、その相手を「相手方」と呼びます。私は今回、NTTドコモ株式会社の本社を相手方にしました。もし企業にいくつか支部があり、どこを相手方にすればよいか分からないときは、その企業のカスタマーサポートに電話して聞いてみてください。簡易裁判所の書記官も、事前問い合わせを推奨しています。

ただし、問い合わせても教えてくれない企業もあります。私はNTTドコモのカスタマーサポートと、ドコモの東京インフォメーションセンターの2箇所に問い合わせましたが、「調停・訴訟に関する問い合わせには一切応じられない。裁判所を通してしか教えられない」と言われました。

いやいや、その裁判所の書記官が「裁判所じゃ分からないから、どこを相手方にすればいいか事前にドコモに確認してください」と言ってるんですが?という感じ。ドコモの返答を伝えると、書記官の方も呆れていました。

NTTドコモは本社が東京港区、そして全国にいくつか支店があります。福岡に住んでいる私が東京に出向くのはどう考えても無理なので、相手方の欄にはNTTドコモ本社の住所と代表取締役社長の氏名を書き、その上にある「送付先」に九州支社の住所を書きました。九州支社の住所は博多区。博多に支社があれば福岡の裁判所が管轄となるので、申立人である私が東京まで出向かなくとも大丈夫なのです。

5-2 紛争の趣旨

民事調停申立書には、下部に「紛争の趣旨(または申し立ての趣旨)」という欄があります。この欄には、なぜこの調停を起こしたか、その理由を簡潔に書きます。

トラブルの詳細や交渉の経緯など、詳しい内容は後述する「紛争の要点」に書いていくので、この「紛争の趣旨」欄には相手に請求したい金額のみを書いておけば大丈夫。金額はきちんと算出し、1円単位まで細かく書いておきましょう。また、逸失利益や休業損害を併せて請求する場合は、「10万円くらい」のような根拠のないどんぶり勘定はダメ。計算式を書き、根拠ある金額にしましょう。

5-3 紛争の要点

申立書と一緒に提出するのが、「紛争の要点」という書面です。これも簡易裁判所の窓口でもらいます。見た目は、横罫が入っているだけのレポート用紙ですね。この「紛争の要点」には、トラブルが発生してから行なった対応などを1、2・・・と箇条書きにしながら、時系列に沿って書いていきます。自分を申立人、相手を相手方と書く以外は制約がないので、自由に書いてOK。ただ、以下5点には注意しておきましょう。

■紛争の要点を書くときの注意点

  1. 主語は申立人(自分)、相手方で統一する。
  2. 日付は平成◯◯年◯月◯日と具体的に書く。
  3. 金額は1円単位まで具体的に書く。
  4. 不当請求された使用料をすでに支払っているなら、「請求料金は支払い済み」という文言を入れる。
  5. できるだけ客観的に書き、個人的な感情や主観を入れることは控える。

■私が「紛争の要点」に書いたこと

私が「紛争の要点」に書いたことが以下。

  1. 相手方と契約を締結した日時。またその契約内容(プラン名など)
  2. Xperiaに不具合が生じ、トラブルが発生した日時
  3. このトラブルに対し、NTTドコモが行った説明
  4. NTTドコモの説明に対する反論
  5. 消費者センターに斡旋を依頼した日時
  6. ドコモショップで受けた説明など

①民事調停の申立書、②紛争の要点、③証拠書類、④登記事項証明書がすべて揃い、書記官のチェックを通ったら、あとは民事調停の日時が決まるまで待機。簡易裁判所から封書(長3サイズ)が郵送で届くので、この書面で調停の日時を確認します。

以上が、ざっくりとした民事調停の手続きです。

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