小野政次ついに退場!おんな城主直虎第33回感想

おんな城主直虎アイキャッチ

昨日放送されたおんな城主直虎第33回「嫌われ政次の一生」。ネットでは大絶賛らしいんですが、私は「これ完全にやらかしたなぁ……」と思っています。本作一番の見せ場なのに今回はちょっと脚本が悪すぎる。これみんなが嫌いな「テンプレ女主人公大河」そのものでは……。

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当たり回と外れ回が激しいおんな城主直虎

本作の脚本を手がけている森下佳子氏は、原作ありきだと良い御本を書かれるけどオリジナル脚本はどれもイマイチ、という方です。そのせいか、おんな城主直虎も一部から当たり・外れ回の差が激しい。個人的には、龍雲丸(柳楽優弥)が出張ると大体外れで、しの(貫地谷しほり)が出張ると神回になる印象。しの回とも言える「赤ちゃんはまだか」や「女たちの挽歌」は、いずれも話のテンポが良く台詞回しも素晴らしかった。一方、気賀回の「材木を抱いて飛べ!」や「誰がために城はある」はどれも「龍雲丸を持て余してるな……」というのが伝わってきたし、人物描写の雑さ・展開の強引さが目立ちました。

そして、二部後半あたりから「主人公が出しゃばって登場人物全員に影響を与えていく乙女ゲーム展開」が目立ちはじめ、おんな城主直虎も江や花燃ゆのような評判最悪テンプレ女大河の様相を帯び始めた。私は、ここでちょっと嫌~な予感がしたんですよ。

そしたら案の定、おんな城主直虎の第33回「嫌われ政次の一生」で、終盤、直虎がかなり不自然な出しゃばり方をした。が、あれほど女主人公大河アレルギーを患っていたはずの視聴者は不思議とそこは叩かず、ひたすら名シーンだった!と褒めそやしているじゃないですか。処刑に立会い、近藤家臣から長槍を奪って磔にされた政次を一突きにする、という直虎の行動は、主人公補正がかかっている直虎だからできたことです。だから私はこのシーン、「あぁ、これいつものテンプレ女主人公大河だなぁ……」と思い、かなり白けました。

なんで磔にしちゃったの?

今回一番疑問だったのが、小野政次の処刑を通説通りの「獄門」でなく、「磔」にしていたこと。磔にしたのは直虎に長槍で心臓を突かせ、「地獄に落ちろ!小野但馬!」と言わせたかったからなんでしょうが、私はこのシーンも「ここまで言わせないとダメなのかぁ……」と、かなり冷めた目で観ていました。

小野但馬守政次は、ボロ雑巾のように無様に殺され獄門首になってこそ、あの奸臣・忠臣ぶりがより引き立つんです。だから処刑にあんな救い(心臓一突きで苦しまずに殺され、直虎に「地獄に落ちろ!」と呪詛に見せかけた告白をされる)は不要でしょう。そして最後の最後で政次に救いを与えてしまうところが、「おんな城主直虎」の限界かな、とも思いました。「黄金の日日」の杉谷善住坊鋸引き処刑と五右衛門の釜茹、「翔ぶが如く」の江藤新平梟首など、大河ドラマには印象的な処刑シーンが多くありますが、今回の小野但馬は死に際があまりに都合良すぎるので、大河ドラマ史に残る名シーン扱いにしたくないですね私は。

おんな城主直虎はこれまで様々な「因果応報」を描いてきました。第31回「虎松の首」では、偽首を用意する必要に迫られ、政次自らが幼子を殺し首をとった。ならば、やはり政次自信も、磔でなく獄門に処せられてその首を惨たらしく晒される因果を負うべきであり、なつと夫婦約束をしたせいで亥之助も小野の因果を負わされ連座で処刑、というほうが、流れとしては自然なように思います。別に何でもかんでも史実通りにしろとは言いませんが、政次の処刑シーンを磔にしたのは完全に改悪。私には、制作陣がドラマティックにしよう感動的なシーンにしようとして、政次の処刑シーンを感動ポルノに仕立ててしまったようにしかみえません。

森下脚本は、おいしい史実ネタはガンガン使うけど都合が悪い所は徹底的に無視する、というスタンスですが、直虎と政次に「地獄に落ちろ小野但馬!」「女ばかりの井伊が生き残れるものか!」というやりとりをさせたいが為に政次を磔にするっていうのは、やっぱり結構強引な展開に思える。大河ドラマは「史実の縛り」がある中で、どれだけその史実を活かせる脚本を書けるかがキモなのに、獄門も政次既婚設定も無視したら、大河ドラマとしての面白さが半減するじゃないですか。ちなみに、その政次独身設定は制作陣の勝手な思いによるものらしいです。以下は岡本幸江プロデューサーのコメント。

実は、政次は史実では結婚していて、子どもと共に処刑されているんです。ただ、制作者の身勝手な思いですが、政次には独り身で、直虎を支えていてほしかった。そんな勝手な思いもあり、最後まで独身という設定にしました。

私は別に史実厨じゃないんですが、一応、実在した方の物語をお借りしているわけですから、ここも「なかったことにしよう!」じゃなく、もっと違ったアプローチができただろ!と思ってしまいますね。

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