天才同士のブッ飛び音楽コミュニケーション!映画「セッション」感想

セッションアイキャッチ

今月Amazon Primeビデオに追加された映画「セッション」。内容を一言で表すならこうでしょうか。

「暴言吐きながら熱血指導をする天才指揮者と、彼に振り回される19歳の学生ドラマーのブッ飛び音楽コミュニケーション」

主人公のニーマンとフレッチャーがどちらも真性の音楽バカで頭のネジ10本くらい外れてる人間なので、「圧倒的感動!共感!勇気を貰えました!」みたいなタイプの映画ではないんですが、躍動感溢れる劇伴とカット割、ラスト9分間のセッションシーンがとにかく圧巻。
以下、本編の感想です。

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熱血指導の天才指揮者、現る

本作の主人公は、音楽の名門大学に通う冴えない青年アンドリュー・ニーマン。彼は1人でドラムの練習しているとき、学院の講師でもあり天才指揮者でもあるテレンス・フレッチャーに目をつけられ、のち、彼が指導するバンドに引き抜かれます。
が、ウキウキ気分もつかの間。引き抜かれたニーマンを待っていたのはアグレッシブすぎるフレッチャーの指導とオモロい暴言の数々でした。

「テンポが違う」「速すぎる もう一度」「若干遅い」と、ジャズ大会用の曲「ウィップラッシュ」のテンポを間違えて演奏し続けるニーマンに延々ダメ出しするフレッチャー。しまいにはブチ切れて椅子をぶん投げ、テンポを「1234…」と数えさせて4のときだけ頬をバチーン!と殴打。

「テンポがわからん?譜面くらいは読めるか?」
「お前はお涙頂戴男か?俺が虹色に見えるか?」

お 涙 頂 戴 男 ???
バリエーション豊かな暴言を吐きながら、その後もニーマンに「悔しいと言え!」攻撃をし、彼は泣きながら「悔しい!」と言わされるなどします。ブラックゥ~~

この一件ですっかり意気消沈したニーマン。が、彼はすぐに復活し、バディ・リッチのドラム・ウェイを聞いて自分を奮起させ、学内にベッドマットやら歯磨きやらを持ち込み、泊まり込みでウィップラッシュのドラムパートを叩きまくります。この何クソ!精神……やっぱり人を成長させるのは憎しみだよね……分かるよ…

ジャズコンテストで譜面なくしちゃうの巻

そしてオーバー・ブルック・ジャズ・コンテスト当日。ドラムの主奏者タナーはニーマンに楽譜を預けますが、彼のうっかりで紛失されます。タナーは暗譜してなかったので、急遽ニーマンが演奏することに。

「演奏は上達しているんだろうな」
「ド忘れするなよ」

フレッチャーにネチネチ言われながらも、ステージで見事な演奏を披露するニーマン。この一件でタナーは主奏者を降ろされ、ニーマンが主奏者(仮)になります。しかし、主奏者になったプレッシャーやら、フレッチャーが新しいドラマー(コノリーという爽やか青年)を連れてくるやらで、ニーマンは次第に追い詰められていきます。嫌な予感がする……

ニーマン、主奏者に昇格

翌日、ダネエレン大会へ向けた練習中にドラムが思ったとおりのテンポを刻まなかったらしく、フレッチャは「テンポが違~う!!」とおこです。思い通り叩ける奴が出るまでやるからな!と言い、コノリー→ニーマン→タナーの順で延々ドラムを叩かせるフレッチャー。

「アッパーウエストサイドのミスター・ゲイか」
「次はアイルランドの芋野郎。お前、民謡の妖精にそっくりだな」

そんな暴言ある!?!?血気迫るシーンですが、暴言のバリエーションが豊かすぎてこんなの笑ってしまう……
で、唯一テンポを落とさず叩けたニーマンを、「もっと速く!」と煽り、横で変な物体をカンカン鳴らしだし、近くにあった椅子も蹴っ飛ばします。(※なお、この間もずっとおもしろ罵倒は続いている)

結局、主奏者に指名されたのはニーマン。残った二人は「ドラムについたニーマンの指の血を拭く係」に任命されます。(悲惨)

そんなこんなで大会当日

ニーマンの乗ったバスが運悪くパンクし、彼は急ぎレンタカーを借りて会場へ向かおうとします。が、急ぐあまりスティックをレンタカー会社に置き忘れます。君、さてはタナーの譜面もそうやって紛失したんだな!このうっかりさんめ!
ニーマンは会場へ向けて車を爆走させるんだけど(電話しながらの脇見運転は危険なのでやめましょう)、遅刻したニーマンの代打としてすでにコノリーが準備していました。

「お前は降格させた」というフレッチャーの発言に、「僕のパートだ!あんな野郎には任せられない!あんな××で××な奴に!××で××の野郎!(※自主規制)」と発狂しだすニーマン。

「なら、時間までに自分のスティック持ってこい!」と言われたので、急ぎ車で事務所に戻り、スティックを取ってまた車を爆走させます。しかし、やっぱり電話しながらの脇見運転なので今度は交通事故に遭います(自業自得すぎる…)。

血まみれになりながらスティックを手に取り、車の下からゾンビみたいに這い出て2ブロック先の会場まで走る走る(でもめっちゃフラフラしている)。が、演奏時間には間に合ったものの、怪我のせいで満足にスティックも持てず、案の定演奏もグッダグダに。
そこへフレッチャーが「終わりだ」とか言って煽るもんだから、さすがのニーマンもブチ切れてしまい、

「××野郎、××してやる!フレッチャー、×ね!!(※自主規制)」

彼にグワッと飛びかかって、らんちき騒ぎをはじめます。まあブン殴りたくなる気持ちは分かるよ……フレッチャーはいつも一言余計なんだよ……

結局、この「フレッチャーぶん殴り事件」で学院を退学処分になったニーマン。
後日、両親から「彼の教え子のショーン・ケイシーはフレッチャーの生徒になってからうつ病を患い、部屋でクビを吊って死んだ」と聞かされ、フレッチャーを告発するように勧められます。最初は「僕が悪かったんだよ…彼を責めないで……」みたいな態度をとっていましたが、最終的に彼を告発して退職に追い込むことにしたようです。巻き添えにしたかったのかな……

その後、ドラムセットを片付け、大好きだったCDも捨てて新しい生活をはじめたニーマンでしたが、夏の夜、フラフラしているときにジャズバーで偶然フレッチャーと再会。フレッチャーは酒を飲みながら語ります。

「チャーリー・パーカーはサックスの名手。だがジャム・セッションでヘタをさらした。ジョー・ジョーンズにシンバルを投げられ、笑われてステージを降りた。その夜は泣きながら寝たが、翌朝は?練習に没頭した。来る日も来る日も1つの誓いを胸に。二度と笑われまいと。1年後、またリノ・クラブへ。因縁のステージに立つと、史上最高のソロを聴かせた」

「もしジョーンズが言ってたら?”平気さ チャーリー””大丈夫 グッジョブだ”。チャーリーは満足。”そうか グッジョブか”……”バード”は生まれてない。私にしたらそれは究極の悲劇だ。だが世の中、甘くなった。ジャズが死ぬわけだ」

ニーマンは、でも越えてはならない一線があるでしょう、あなたのやり方では次のチャーリーを潰すだけだ!と食い下がるんだけど、フレッチャーは

「いいや 次のチャーリーは何があろうと挫折しない」
「私は皆を期待以上のところまで押し上げたかった。それこそが絶対に必要なんだ。でなきゃ次のチャーリー・パーカーも現れない」

と否定。

やがて店の前で別れる二人。が、フレッチャーはニーマンに「バンドのドラマーがいまいちだから、今度のJVCフェス代わりに出てくれない?曲はスタジオバンドのやつだから^^」と誘いをかけます。

あんな話のあとだから、ニーマンも「この人も丸くなったんだな~」「反省したんだな~」「まあ、そこまで言うなら出てやらんこともないよ」くらいの気持ちになりますよね。当然OK!と返事をします(これが罠だとも知らずに……)。

そんなこんなでフェス当日

ニーマンは気合を入れてフェスの会場へ。見よ、このやる気満々な顔を!って感じですね。(※なお、この顔はあと数分で絶望に変わります)

「今夜はチャンスだ。スカウトの目に留まればブルー・ノートと契約。だが逆にヘマをすれば職替えする羽目になる」と、励ましに見せかけた脅しをするフレッチャー。ニーマンはウィップラッシュの楽譜とともにステージに向かうんですが、そこへまたフレッチャー(無表情)がやってきて「密告はお前だな」と言う。

ここでサーッとニーマンの血の気が引き、「今日の曲はスタンダードですが、まず新曲を。T・シモネックの”アップスウィンギン”」というフレッチャーの言葉で目がキョドり出します。

譜面がないので適当にシンバルをシャンシャンするニーマン。対するフレッチャーは顔芸まで飛び出してノリノリ。ドラムをシャンシャンしながら「この世の終わり…」みたいな顔をしているニーマンのところへ再び彼がやってきて、「お前は無能だ」と言い捨てます。ニーマンはここで自分が嵌められたことに気づいてステージを降り、待っていた父親に「さあ帰ろう」と抱きとめられるんですね。

私はてっきり、フレッチャーにフェスで大恥かかされる→1年後、同じフェスでリベンジ→チャーリー・パーカーの再来だ~!→~FIN~、になるのかな?と思いつつ観ていたんですが、フレッチャーに嵌められたニーマンはすぐステージへ戻り、ドラムセットの前に座りました。

「今度はスローな曲でおなじみの……」と観客に向けて説明をしながら「あれ?お前、何戻ってきてんの?」という顔のフレッチャー。私もこのとき、全く同じ顔になりました。なんで戻ってきたの君??

彼のスピーチを遮り、ニーマンはいきなり「キャラバン」を叩き始めます。戸惑うバンドメンバーに「合図する!」と声をかけ、ドラムを一心不乱にドンドコ……。

勝手な振る舞いに「目玉をくり抜いてやる!」と、またもやブチ切れるフレッチャーですが、暴言を吐きながらも何だかんだでニーマンのしたいようにさせてやるんですね。怒ってみせてるけど、本当は最初からこうなること分かってたんじゃないの~?(ニヤニヤ)

で、キャラバンが終わってもまだ1人ドラムを叩き続けているので、「何のマネだ!」と、またまたフレッチャーが怒って詰め寄る。しかし帰ってきた返事は、

「合図する!」

ニーマンは、むかし手を血まみれしたウィップラッシュを一心不乱に叩き始めます。最初は「何の真似だ(怒)」と言っていたフレッチャーも、次第に「いいぞ、いいぞ」という顔になっていき、演奏の指示を出しはじめます。

そしてタン、タン……とスローになるドラム。二人はアイコンタクトを交わし、フレッチャーの手がまた大きく振り上げられて~~~

---完---

序盤の動きが鈍いので、最初はやや退屈に感じるかもしれませんが、中盤からテンションブチ上がるので「最近何もやる気が起きないなぁ~」という人にぜひ観てほしい映画ですね、これ。私が1番好きなのはフレッチャーが手をあげてから一気にエンディングに突入するところ。ここの入り方!!観てて本当に気持ち良かった……余韻がすごい……

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