映画「ボーダーライン」感想!とにかくデル・トロの胡散臭さがすごい

映画ボーダーラインアイキャッチ

2015年に公開された映画「ボーダーライン」、原題「シカリオ」。メキシコ麻薬戦争を題材にした作品なんですが、先日アマゾン・プライムビデオにて視聴したところ、まあ目ン玉飛び出そうなほどの名作でした。

原題になっている「シカリオ」とは、エルサレムの熱心党を由来とする言葉。メキシコ語で「暗殺者」。邦題だと全く伝わりませんが、実はこの題名自体も伏線になっt……お~~っと、これ以上は言えないなぁ~~

以下、本編の感想です。

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奇襲→発見→爆発

ドウン…ドウン…(ものすごい重低音)

穏やかじゃない劇伴とともに始まったボーダーライン。冒頭は、アメリカで多発している誘拐事件の主犯とされる麻薬カルテルの幹部マニュエル・ディアス宅へ奇襲をかけるSWATのシーンです。劇伴が開始直後から視聴者をガンガンに追いつめてきます。もう終始、ドウィンドウィンです。

で、ディアス宅に車ごと豪快に突っ込むSWATチーム(アメリカってほんと、そういうとこあるよな)。本作の主人公FBI捜査官のケイトは、潜伏していたディアスの部下にズバババッと銃を撃ちかけられるも見事に避け、逆にそいつを射殺。直後、壁の中から死体(被害者)がずら~っと出てきたり、庭に仕掛けられたダイナマイトが爆発し警官がアーッになったりして、ちょっとした地獄絵図が繰り広げられます。しかし肝心のディアスはすでに逃亡済み。

後日、FBI本部の偉い人たちに呼び出されたケイトは、何が何でも首謀者を捕まえたいという一心でマニュアル・ディエス捜査への参加を志願。かなり例の爆発のこと根に持ってるようです。捜査の指揮をとるのは、よれよれTシャツ+ビーサンで、潮干狩りの帰りか何かか?という出で立ちのマット・クレイヴァー(CIA所属)。別名、ケイトを振り回す男その1。

数日後、ルーク基地からメキシコのエル・パソに向かう自家用機に乗り込むケイトとマット。自家用機にはルークの知り合いアレハンドロ(相変わらず古谷一行に似ているデル・トロ)も乗ってきます。こいつがケイトを振り回す男その2。

「エル・パソに行く」と聞かされていたケイトですが、機内でいきなり「向かう先はメキシコのファレス」と知らされ混乱。ここの「は?何言ってんだ、こいつら」みたいな顔が最高なので、ぜひ観てくれ。

アレハンドロは自家用機の中でグースカ寝こけていますが、その右手はプルプルと痙攣し、いきなり「アアッ!」と叫んで飛び起きたりするので最初から胡散臭さがすごいです。

メキシコのファレスに到着

ファレスに到着した3人が向かったのは、AIC(軍事情報センター)。AICでは、逮捕されたディアスの弟でありカルテル幹部でもあるギルレモのアメリカ移送計画について話し合いが行われていました。

が、いきなりファレスに連れてこられ、移送計画についても何も聞かされていなかったケイトは、「わたし、この計画に従う理由ないよね!?」とマットにブチ切れます。マットはマットで、「首謀者を捕まえたいなら言うとおりにしろ!」とケイトを一喝。結局、ケイトは何一つ教えてもらえないまま防弾チョッキを渡され、車に乗る羽目に。ノリが電波少年みたいになってきました。

全然関係ないけど、シュッとしたスリム体型のエミリー・ブラントが、スリムパンツ+よれよれのグレーTシャツを着てその腰にFBIのバッジとゴツいグレッグ(で合ってるよね?)つけているこのバランス感、最高。

そんなこんなで、ギレルモを引き取るためファレスをものすごい速度で爆走する護送車数台。途中、見せしめとなった遺体やら、変な車やら、現地警察(カルテルが買収済み)やらが出てくるので、ケイトの顔もだんだん険しくなっていきます。

ドウン…ドウン…(めちゃくちゃ緊張感を煽る劇伴2回目)

ギルレモを引き取ったあと、国境のハイウェイで渋滞にはまる護送車。別の車線にはギルレモ救出を企むカルテル連中の乗り込んだ車がつけていました。やるか?やるか?みたいな空気が漂い、一気に緊張感が高まります。しかしアレハンドロたちが車外に出て、カルテルの人間をあっという間に制圧(隠語)。あとは現地警察に任せ、護送車はそのままブロロロロ~と、何もなかったように国境を越えていきます。

「全米の新聞第一面に載るぞ」

「いや エル・パソの新聞にも載らない」

カルテル連中をやっつけて、HAHAHA!みたいなテンションのマットたちですが、ケイトはここでも完全に取り残されて、「クソッ!」と悪態をつきます(気持ちは分かる)。

で、帰ってきてからまた「さっきの何だアレ!違法行為だろうが!」とマットにワーワー噛み付くんですが、やっぱり相手にしてもらえない。そして引き取ってきたギレルモを待っていたのは、アメリカ映画ではお馴染みの水攻め(という名の拷問)。どんな強者でも秒で情報ゲロっちゃう例のアレ。もちろん、やるのはアレハンドロです^^

再びのアリゾナ

再びアリゾナ州に戻ってきたケイトたち。銀行で資金洗浄を行う女を逮捕するために利用されたり、汚職警官をあぶり出すための囮にされたり、ここでもケイトはマットとアレハンドロのせいで散々な目に遭います。

そして後日、マットたちの考えた特殊作戦に同行するケイトたち。マットとアレハンドロの狙いは麻薬王のファウスト・アラコルン。アラコルンを見つけるのは至難の技だから、マヌエル・ディアスを餌にして居場所特定しようぜ!みたいなことらしいね。国境付近にあるトンネル付近で麻薬密輸が行われているので、まあつまり、そこを叩いてカルテルを混乱させ、まずはマヌエル・ディアスをおびき寄せようぜヒッヒッヒ!みたいな。

トンネルに突入するさい映像が暗視スコープに切り替わるんですが、画面がグラグラしてリアル。そしてまたあの劇伴が視聴者を追い詰めてくるので、なんかもう、グラグラのドウィンドウィンです。

暗視スコープ使ってササッとトンネルに突入し、すぐ敵と遭遇して銃撃戦がはじまるわけですが、いつの間にかフラッと姿を消していたアレハンドロ。違う通路に入って仲間とはぐれたケイトは、偶然、麻薬密売を行っていた警官シルヴィオと、シルヴィオのパトカーに乗り込むアレハンドロを目撃してしまいます。

当然「何やってんだオメー!」と銃を構えるケイトですが、逆にバーン!と撃たれて悶絶。銃くらってぶっ倒れるケイトの頭には「?」が浮かんでいます。そして私の頭にも「?」が浮んでいました。もうただひたすらに「どういうことやねん……」という気持ち。

アレハンドロがパトカーに乗ってトンネルを去った後、なんとか仲間と合流したケイト。勢いマットに殴りかかるも、ひょいとかわされ、逆にぶっ叩かれて地面に転がされます。そしてマットの口から、アレハンドロは傭兵として雇われた身で、その目的はアラコルンへの復讐であることが明かされます。アレハンドロの妻と娘は(ここに書くのもはばかられるような方法で)殺害されており、この2人の殺害命令を下したのがアラコルンなんですね。メ、メキシコォ~~!相変わらず物騒~~~!

アレハンドロ(in シルヴィオのパトカー)は、おびき出したマヌエル・ディアスの車を尾行します。そしてサイレン鳴らして停車させ、ディアスに銃を突きつけて「ボスの所まで案内しろ」と脅します。

ボスの屋敷に到着したのち、ディアスをパーン!とやってから(こいつ、もう用済みだからホラ……)、本作最大の見せ場、暗殺者と化したアレハンドロ無双がおっぱじまります。映画の原題「シカリオ(Sicario)」の伏線もきっちり回収!

ここの、警護人を片っ端から片付けていくアレハンドロを見て、私は「暗殺者というか、ただのクソヤベエ、デル・トロだな……」と思っていました。

邪魔するヤツを片っ端からバンバン撃ちまくったアレハンドロは、やがって屋敷の奥、家族水入らずで食事を摂っていたアラコルンの元へ。「俺を恨むな」「息子たちは助けろ」との命乞いにも聞く耳持たず、家族を先に射殺。「神に召される時がきた(Time to meet God.)」の台詞とともに、バーン!とアラコルンを撃ち、自身の復讐を果たします。

後日、ケイトが自宅テラスで煙草を吸ってから部屋に戻ると、そこにいたのはまさかのアレハンドロ(神出鬼没)。挨拶もそこそこに、「作戦はすべて法規に準じたものだったという書類にサインしろ」とか言ってきます。違法行為しまくりだったので最初は拒むケイトでしたが、銃で顎グリグリされて渋々サインする羽目に。

その後、テラスからアレハンドロを撃とうとするも、悩みに悩んだ末、銃を下ろしてしまう。まあ撃ったらあとで絶対半殺しにされるしね……え?そういうことではない?

ボーダーラインを観たあとは、ヨアン・グリロ著「メキシコ麻薬戦争」→映画「カルテル・ランド」→アンドルーホーガンほか著「標的:麻薬王エル・チャポ」→ドン・ウィンズロウ「犬の力」→ウィンズロウ「ザ・カルテル」コースがおすすめです。2018年11月には本作の続編にあたる「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」の公開も予定されているので、こちらも必見!

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