映画「第七天国(7th Heaven,1927年)」のあらすじと感想【中編】

第七天国1

「第七天国」、前編の続きです。

映画「第七天国(7th Heaven,1927年)」のあらすじと感想【前編】

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第七天国(7th Heaven)中編

短いドライブのあと、下宿先に到着。アパートの長い螺旋階段を上がって行く二人をカメラが長回しで撮影しています。このワンショットはとても有名なシーンですよね。7階にあるチコの部屋へ到着した途端、ディアーヌは感動で言葉を失いますが、彼はそれをみて「俺は下水道で働いてるが、星の近くに住んでいるんだ!」と。

CHICO:Not bad, eh? I work in the sewerーbut I live near the stars!

あまりの感動でハアハアしているディアーヌ。そう、彼女にとってこの部屋は「It’s wonderfull.」すぎたのです。こっちへおいで、とチコがディアーヌを窓辺へエスコート。そこに広がっていたのはパリの街と満天の星空。

第七天国3

夜風に髪を揺らしながら、感極まったディアーヌが叫びます。

DIANE:It’s Heaven!

窓辺から伸びている細い板を渡り、向こう側のアパートへ行こうとするチコ。「おいで」と手を伸ばされるも、ディアーヌは足がすくんで進めません。手を引かれ、恐る恐る渡ろうとしますが、下を見てしまい結局部屋に逆戻り。臆病なディアーヌに、チコは「恐れてはダメだ」と言い聞かせます。夜空を指差し、「決して下を見るな、いつも上を向け!」と。

第七天国2

先程の、延々上へ向かう7階までのワンショットも、この「Always look up!」の表現だったんですね。

CHICO:You mustn’t be afraid I’m never afraid.

CHICO:Never look downー

CHICO:ーAlways look up!

CHICO:I always look up. That’s why I’m a very remarkable fellow!

CHICO:It’s wonderful the things I feelーーーsometimes I could reach out and touch a star!

ここの得意げな顔のチコ、とても格好いい。ディアーヌでなくても惚れてしまう、これは。
そのあと、チコがおもむろにベッドの用意をし始めたので、おろおろするディアーヌ。彼は向かいのアパートに住むゴビンの妻から女用の寝間着を借てきて渡し、着替えるように言います。チコが水を汲みに行った間に寝間着へ着替え、ベッドの中で寝たふりをして周囲の様子をうかがっていたディアーヌは、チコが床で寝るのを確認してほっと一安心。微笑んで眠りにつきます。

翌朝、先に目覚めたディアーヌは朝食の準備をしてチコを待ちます。いささかぎこちない「おはよう」の挨拶、ニヤニヤしてしまう。

顔を洗っているチコの後ろで、上着を持って待ち構えているディアーヌが可愛い。用意された朝食をもりもり食べるチコ、ディアーヌが淹れたコーヒーが熱くて飲めないのも可愛い。

少しいい雰囲気が漂うも、彼が「警察が来たらちゃんと出ていけよ!」とまた念を押すので、彼女の顔から笑みが消えます。チコの悪態は単なる照れ隠しなんですが、ディアーヌはその辺の男心が分からないので、真に受けてしょんぼり。

CHICO:Women are all alikeーthey try to reach a man through his stomachー

CHICO:but you can’t get around me. After the police come, you go!

そんな時、今日から同僚となるゴビンがベランダから侵入してきます。下水道労働者から道路清掃員にランクアップしたので、彼の中のチコの立場が「隣人」にランクアップしたようです。この豹変っぷり(笑)

GOBIN:Now that you’ve climbed out of the sewer, Comrade, I can recognize you as a neighborーー

GOBIN:ーーPermit me to escort you to the hose.

男二人はそのまま連れ立って仕事へ向かおうとします。しかしゴビンが「奥さんへの挨拶を忘れているよ」と余計な気を回すので、チコはディアーヌへキスする羽目になります。ラッキースケベというやつですね(ちがう)。ゴビンに怪しまれないよう、渋々キスをするチコ。その後また「いつまでもここにいられると思うな!」と念を押してくるので(※照れ隠しです)、ディアーヌも「OKOK」と、やや呆れ気味。

GOBIN:You forgot to kiss your wife goodbye.

CHICO:I didn’t mean it! Don’t think you can stay!

この時点でチコに惚れていたディアーヌはキスが相当嬉しかったようで、有頂天。二人を見送った後、すぐに窓辺へ行き、昨日渡れなかった板を渡ろうとします。「怖れるな!上を向け!」というチコの言葉を思い出し、無事渡れて得意満面。

数日経過し、かなり打ち解けた様子のチコとディアーヌ。髪を切ったり切らせたりするほどには距離が縮まったようです。そこへ訪ねてくる怪しい老人。彼は自分を「私立探偵」と名乗り、チコを尋問。そう、とうとう「その時」が来てしまったのです。

老人:I am a police detectiveー

老人:Is that your wife?

確認が終わり、老人が去っていくと、ディアーヌもハサミを置いて最初の約束通り部屋を出ていこうとします。ここでチコが「別に邪魔じゃない」と遠回しにディアーヌを引き止めるのですが、なんという不器用男!

CHICO:ーIf you want to stayーyou’re not in my way.

チコのお許しが出て、ディアーヌの泣き顔が笑い顔に。ハサミ持ってきてまたチコの髪を切りながら、彼女は言います。

DIANE:Chico, I believe in the Bon DieuーI believe He brought you to me.

CHICO:Don’t bother your head about such big thoughts. Leave them to me.

第七天国4

後日、「第七天国」でチコの上着を繕っているディアーヌ。できあがった上着を椅子の背にかけ、袖を自分に巻きつけて匂いをかいだり、恋する乙女全開。そこへ帰宅したチコ、彼は腕に大きな包みを抱えていました。一つは花の植木鉢。そしてもう一つはウエディングドレスの箱。

DIANE:It looks like a wedding dress.

誰がどうみてもウエディングドレスです。ディアーヌは喜びますが、次第にその顔が曇っていき……。

CHICO:Dont’t you want to marry me?

DIANE:But you never saidーyou love me.

そう!ディアーヌはチコに一度も「好きだ」とか「愛している」と言われたことがないんです。彼女はそのせいで不安になっているんですね。

DIANE:Couldn’t you say itーjust once?

CHICO:I cant’t say it! It’s too silly.

ディアーヌに乞われ、言葉にしようとするも「できない!」。彼女があまりにも寂しそうな顔をするので「Well, this way thenー……」と妥協案です。

CHICO:(自分の胸に手を当てて)Chicoー

(ディアーヌに手を差し伸べて)ーDianeー

(両手を広げて)ーHeaven!

「チコ、ディアーヌ、天国!」と言われ、嬉しそうなディアーヌ。「もう一度!」とおねだりするとき、目がキラキラしているのが猛烈に可愛いです。

DIANE:Say it again!

CHICO:ChicoーーDianeーーHeaven!

ディアーヌが「結婚式は教会で挙げるの?」と聞くと、即座に「ノー!」。まあ、本人も言ってますが、彼は無神論者なのでね……。

DIANE:Are we going to be married in church?

CHICO:Noーcertainly not!

CHICO:I am an atheistー I walk alone!

チコが椅子に座ると、尻に何かが当たりました。それは上着に入れていた宗教メダル。彼はあまりのタイミングのよさにギクリとしますが、無神論者ゆえに「偶然だ!」と自身に言い聞かせています。偶然かなー偶然なのかなー?

CHICO:No religious medals can frighten me! It’s only a coincidence.

二人がイチャイチャしていると、「準備はできてるか?」と窓からゴビンが。

彼は、妊娠中で寝たきりのマダム・ゴビンのためにディアーヌが作ってあげたスープを取りに来たのでした。ディアーヌはスープの入った片手鍋とウエディングドレスの箱を抱え、窓から隣アパートへ行こうとします。それを見て慌てたのがチコ。「おい!」と引き止めるチコに、晴れ晴れとした顔でディアーヌは言います。「私は二度と怖れないわ!」。

DIANE:I’m not afraid.

DIANE:I’ll never be afraid again!

「第七天国」に残されたチコとゴビン。ゴビンはディアーヌがいなくなったので、戦争の話を切り出します。パリでは第一次世界大戦の一般徴兵(国家総動員)が行われており、もちろん二人も戦場へ行かなくてはいけません。ゴビンは「1時間以内に出発しなければ……」と暗い顔をし、妻との別れを済ますため、一旦自分のアパートへ戻ります。

GOBIN:I’ve said nothing to the women, butーーit’s come, Comrade, the war!

GOBIN:Our regiment is on the first list. We leave within the hour.

CHICO:You’re right, Comrade! We must defend our homesーーーand our women!

黙々と荷造りをしているチコの元へ、ウエディングドレスに着替えたディアーヌが戻ってきます。窓から入ってくる美しいディアーヌを見て、ぱぁ!っと顔を輝かせるチコ。感極まってキスしようとするも、軍隊の足音がそれを思い留まらせます。彼はディアーヌを抱きしめ、ここで初めてストレートな愛の告白をするのでした。

CHICO:Diane, I love you!

DIANE:At last! You’ve said it all by yourself!

「やっと言ってくれた!」と喜びつつ、しかし幸福に慣れていないディアーヌの胸はキリリと痛みます。「おかしいわ、胸が痛いのよ!」……なんて可愛い台詞でしょう。

DIANE:I’m not used to being happyー

DIANE:ーIt’s funnyーit hurts!

チコはディアーヌに徴兵の件を伝え、ゴビンとともにすぐに出なければならないことを明かします。そして、「怖い!」と言いながら彼女の腰にしがみつきます。

CHICO:Dianeー I have terrible news! Gobin and I leave at once! War has come!

CHICO:I’m afraid!

戦争に怯え、弱音を吐くチコ。ディアーヌはそんな彼を叱咤します。「決して下を見ない!いつも上を向くの!」。二人の立場がここで逆転するの最高ですねぇ。

DIANE:Never look downー always look up!

ディアーヌは尚もチコの真似をし、彼を励まし続けます。

DIANE:See what you’ve made of meー

DIANE:I, too, am a very remarkable fellow!

時間がないため、結婚式をあげることもできない二人。チコは宗教メダルを取り出し、「今ここで結婚しよう!」と提案。二度も神に裏切られたがゆえに無神論者となったチコは、ここで「もう一度、神にチャンスを与える」のです。

第七天国5

CHICO:How can I leave youーand now we haven’t even time for a wedding.

CHICO:I have it! We will marry nowーhere!

CHICO:I am an atheistーbut I’ll give God one more chance.

CHICO:Monsieur le Bon Dieu, if there is any truth in the idea of You, please make this a ture marriage.

宗教メダルをお互いの首にかけ、二人は宣誓。

CHICO:I take you, Diane, for my wife.

DIANE:I take you, Chico, for my husbandーforever.

CHICO:Now we’re married.

「Madame Chico!」と言いながらディアーヌを抱きしめるチコ。二人の体格差が最高です。しかし幸福な時間は続きません。自身も妻との別れをすませたゴビンが再び窓からやってきて「Hurry!」とチコを急かしたからです。

GOBIN:Hurry, Comrade, we must be at the station in fifteen minutes.

荷物を持って部屋を出るチコ。見送りに行こうとするディアーヌを制し、「俺は毎日11時に君を想う」と彼女に語りかけます。同じ時間に祈ることで、離れていても共にあろうとするんですね。無神論者とか言ってた人間が……。

CHICO:Stand stillーdon’t moveーI want to see you this way lastーー

CHICO:ーLet me fill my eyes with you!

CHICO:Every day at this hourーeleven o’clockーI shall come to you.

チコが部屋を出たあと、脱力してヘナヘナしゃがみ込むディアーヌ。そこへやってきたのが姉のナナ。そう、彼女はチコがいなくなるその時を狙っていたのです。おのれェ……卑怯なり!

NANA:I’ve been hiding in the hall till your sewer man left. So the war’s got him!

ナナは、ドレスを着ているディアーヌを鼻で笑い、宗教メダルを引きちぎります。取り返そうと彼女に掴みかかるディアーヌ。鞭で打たれても怯まず、逆に鞭を奪ってナナを叩きまくり。いいぞ、もっとやれ!宗教メダルを取り戻し、ナナを「第七天国」から追い出したディアーヌは窓辺で高らかに勝利宣言。「チコ、私は勇敢よ!」と。

CHICO:Chico! Chico! I am brave!

さて、ここから映画は後半戦に突入します。「第七天国」でのチコとディアーヌの交流を描いた前半から雰囲気が一転。前線へ向かったチコとゴビン(とラット)の運命は?ディアーヌとチコの再会は?詳しくは【後編】で。

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