違法サイトダメ!と言う前に出版社とレーベルはやることあるんじゃないか?

違法サイトダメという前にすべきことアイキャッチ

最近、ネット上で違法ダウンロードサイト関連(以下:違法サイト)の話題を頻繁に見かけるようになりました。私も先月、仕事でそういう話をしてきたんですが、最終的に、

最初から金払う気がないアホは論外だけど、商品が入手困難だから仕方なく違法サイトを利用してるって人もいるよね実際。とりあえず出版社は品切れ本の重版or電子化、レーベルは旧譜の在庫確保と金銭的負担の大きい特典商法廃止、書店は本の品質管理と在庫(美品)確保から始めてくれ。まずは商品ちゃんと売って!

との結論に至りました。

「違法サイトを利用しないでください!データの譲渡・交換もやめて!」と言ってる出版社やレーベルの公式通販サイト行くと、商品の大半が品切れだったりするんですよ。なんだそれは?盛大なギャグか??
在庫抱えたくないの分かるけど、ちゃんと本は重版しCDもプレスしろ!それが嫌ならもっと配信に力入れろ!!企業がこんなだから、いつまで経っても違法サイト利用者が減らないんですよ。

そんなわけで、今回はこの「違法サイト問題」に関する持論?的なものを書いてみようと思います。「違法サイトの利用は……めっ!」と主張するふりをして、レーベル・出版社の尻を叩きたいというのが正直な気持ちです。

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1、紙の本の場合

まず「違法サイトのせいで紙の本が売れない!」という主張について。今はネットで検索すれば無料でマンガ・小説・同人誌の掲載サイトがごろごろヒットする時代。違法サイトは潰しても潰しても雨上がりの筍のようにボコボコ出現する非常に厄介な存在です。そしてアクセスの大半はダイレクトなので、Googleに通報し検索結果からフッ飛ばしても効果がない。出版社や作家による「違法サイトのせいで売上が落ちている!」という主張も、確かに一理あると思います。

ただ、紙の本が売れない理由は違法サイトのせいだけじゃない。違法サイトのせい!と声をあげる前に、出版各社はまずやること(あるいは見直すこと?)があるんじゃないでしょうか。少なくとも私は普段から「あなたがた、いつも被害者ぶるけれども本気で紙の本を売る気あるの?(イラァ)」と思っていました。日本人が読書離れしたんじゃなく、出版社が「離れざるを得ない状態」を作ってるんじゃねえのですか?と。

そんな私が思う「紙の本が売れない理由ってこれじゃないの?」一覧がこちら。

  1. 書店に在庫がない
  2. 書店に在庫があっても、状態が悪い(汚れ、傷、黄ばみなど)
  3. 品切れ・重版未定のままになっており入手困難
  4. 文字サイズ拡大・無駄な分冊など本の単価を上げて買う気を削ぐ
  5. 表紙にアニメキャラやアイドルを起用し、装丁をクソ仕様にして買う気を削ぐ

1-1 書店に在庫がない

まず、本を買いに書店へ出向いても、店頭在庫がなくその場で購入できないケース。これ本っっ当に多いんですよ。買う気マンマンで書店に行っても買えないんですよ、本が!!

文芸・学術書・マンガ……ジャンルに関わりなく、マイナーな作品だと100%店頭在庫がない。お取り寄せで1週間も待てるか……?待てるわけがない!在庫がないなら電子書籍を買うか……?マイナーな作品はそもそも電子化されていない!買いたくて買いたくてたまらないのに肝心の本がどこにも売ってないとか、こんな悲劇があるかよ!でもあるんだなこれが!!

1-2 店頭にある本の状態が悪い

書店に陳列されている本には「汚れ・黄ばみ・傷」があるのが常。平積みになっているものは下から在庫を取り出せますが、棚にある本はそうもいかない。中古とほぼ変わらないような汚い紙の本を定価で買いたがる人が一体どこにいるのでしょうか。

同じ金額出して買うなら、やっぱり美品がいいじゃないですか。でも書店に美品ってほぼ置いてないんですよね……。美品在庫がないと、やっぱり買わずに帰っちゃうよね。

1-3 品切れ・重版未定で入手困難

学術書の類は品切れ・重版未定のまま放置されているものが多い。中央アジア史についてあれこれ調べている私にとって、この現状は本当に不便でなりません。と同時に、名著を品切れのまま放置している出版社には強い憤りを覚える。

出版社には「重版か電子化してくれ!」と頻繁に要望メールを送っているんですが、ほとんど効果なし。「どうせ金を落とすなら古書店じゃなく出版社に落としたいんですっ!」と、情に訴えてみたけど全く効果ありませんでした。チッ…

1-4 本の単価を引き上げるなどして買う気を削ぐ

最近、文字数を大きくしてページ数を増やし、単価を引き上げている本が増えてきました。昔は500円だった文庫本が1冊800円になってたりしてて目ン玉飛び出そうになりますね。中には改版と銘打っといて文字と行間広げただけのパターンや、無駄に分冊してるパターンもある。このような仕様変更、私からすれば「余計なお世話」以外の何ものでもない。いくら本が売れないからって、あの手この手で値段引き上げすぎでしょ。

文字サイズ変更は読者のためというより完全に出版社側の都合なので、帯の「読みやすくなりました!」を見るたびイラッとします。文字数が大きくなると1ページあたりの情報量が減って逆に読みにくい。だから文字サイズを自由に変更できる電子書籍を買うようにしているんですが、マイナーな作品はそもそも電子化していないので買えない。ほらまたこのパターンだよ!!ほらぁ~

1-5 アニメキャラ・アイドルを表紙に起用し買う気を削ぐ

アニメキャラやアイドルを起用したコラボ表紙も最近よく見かけます。が、私は書店でこの手の表紙を見るたび吐きそうになります。こんなクソみたいな装丁の本は手に取りたくもないし、買う気もおきません、というのが正直なところ。もうやめてくれよこういうの~

表紙にアイドルやアニメキャラを起用すれば、普段読書をしないオタクがバンバン本を買ってくれるでしょう。結果それなりに(一時的な)儲けも出る。しかし表紙目的で購入された本は、その表紙を引っぺがされて新古書店に売られる運命を免れません。新古書店の在庫が増えれば買い取り価格が下がる。新古書店で買値がつかないとなると、その次に待っているのは投棄です。

2、電子書籍の場合

紙の本の次は電子書籍です。私は、電子書籍が売れないのは「配信サイトがいつか電子書籍から撤退し、購入した本が読めなくなってしまうでは……という漠然とした不安」のせいではないかと考えています。配信サイトが電子書籍サービスから撤退すると、当然そのサイトで購入した本は読めなくなってしまうので、私は普段、絶対に潰れる心配のないkindle Storeでしか本を購入しない。ユーザーフレンドリーとかは正直どうでもいいです。

しかし、このkindle Store、大手にも関わらず日本国内の配信サイトの中では、まだまだ配信タイトルが少ないんですよね。つまり、買いたい本があって金もあるのに配信されていないので買えない!というジレンマがここでも発生するわけです。もっと配信に力入れてくれ出版各社~~

3、同人作品の場合

紙の本、電子書籍の次は同人作品です。同人作品は元々の部数が少なく、ダウンロード販売を行っているサークルも少ない。そのため、機会を逃すと二度とお目にかかれないなんてこともザラです。で、買い逃したファンが違法サイトを使っちゃうと……。

同人作品で何が何でも読みたい本、聞きたいCDがあるときは、違法サイトを使うのではなく、サークルの代表者にDMで「データ売ってくれませんか?」と交渉するものです。もちろん断られる場合もあるけど、「地方に住んでて買い逃したんです!でもどうしても読みたいんです!中古は嫌なんです!転売に手は出したくない!!犯罪には手を染めたくない!!」としつこく迫って口説き落とせば、大抵のサークルさんは作品データを売ってくれます。

ダウンロード販売してないけどデータ売りますよ!というサークルは、ツイプロにでもそう書いといてくれると有り難いですよね。個別対応大変だと思うので、手数料いくらか上乗せして売ってほしい。

4、CD・DVDの場合

紙の本、電子書籍、同人作品の次は商業CD・DVDです。

CD・DVDの特典商法、年々ひどくなってますが、私にはこの「売りたいがために、特典を使って商品の希少価値を高める」やり方が、消費者の違法サイト利用を促してるように思えてならないんですよねぇ……。あと、どうしても個人の金銭的負担が大きくなるから、商品の複数買いできない貧困層はやっぱり違法サイトに流れるよな~と。

たとえば、あるアーティストがCDアルバムをリリースする。CDアルバムの販売価格は3,000円。販売形態は以下の5種類です。

  1. 初回限定盤A……未収録音源A
  2. 初回限定盤B……未収録音源B
  3. 初回限定盤C……未収録音源C
  4. 初回限定盤D……未収録音源D
  5. 初回限定盤E……未収録音源E

レーベル側は、「未収録音源は全て聞きたい!」というファンのコレクター心理を突き、一枚でも多くCDを買わせてやろう思って初回限定盤を5種類も用意しているわけです。しかし、5種すべて購入するとファンは15,000円の出費になる。15,000円あれば、かなり豪華な温泉旅館に泊まって懐石を食べ、温泉でしっぽりできますね。そこそこの大金ですよこれは。

次に、アニメ・ゲームのキャラソンやドラマCD、DVDのケース。アニメの関連商品は最近「店舗購入特典」を設けるケースが非常に多くなっています。
たとえば、某アニメのキャラソンが発売されることになったとする。販売価格は1枚2,000円。公式通販、アニメイト、Amazonで販売しますが、店舗ごとに異なる初回限定特典ディスクがつきます。この場合、全ての特典ディスクを聞きたければ計6,000円が必要になる。6,000円あれば、そこそこの温泉旅館に泊まって、しっぽりできますね。

……とまあ、これらが俗に言う「特典商法」。特典で希少価値をあげ、同一商品を複数買わせるやり方です。複数の特典を使って客を釣るわけなので、当然、ファンの金銭的負担は大きくなる。中にはCD特典を諦めざるを得ないファンも出てくるでしょう。特典を購入できなかったファンが最終的に行き着く場所はYou Tubeです。

で、特典商法で売れたCD・DVDの多くは、特典を引っぺがされてブックオフやゲオに持ち込まれ、ワゴンの中で叩き売られることになる。安価で手に入るようになれば、当然、新品で買う一般人は減る。どう考えても、レーベルが自分で自分の首を締めてるよなぁ~

特典でファンを釣って同一商品を複数枚購入させるより、販売形態を1種にし、単価をやや引き上げて特典音源はボーナストラックとしてすべて収録。これで消費者に金銭的余裕を与えることができますし、入手困難な状況も緩和されますが、レーベルによる、えっぐ~い特典商法は今後もしばらく続きそう。

同一商品を複数買わせるより、導線作って関連商品に誘導し旧譜を購入させるほうが絶対稼げるし賢い売り方だと思うんですけどね。消費者の大半は優柔不断なので、販売形態を増やせばそのぶん「ちょっと考えます!」と買い渋る人が増えて、取りこぼしも増えるんだし。

というわけで、違法サイトに関する持論でした。
とりあえず出版社・レーベルは、まず商品をちゃんと売ってくれ!特に平凡社は、最遊記と封神演義の再アニメ化、西遊記HIB、映画空海の公開と中国史界隈盛り上がってるうちに、中国古典文学体系を重版・電子化してくれ!!

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