とある作家の歪んだ純愛…文豪達のカフネ第二巻 園原藤村 感想

文豪たちのカフネ園原藤村

シチュエーションCD「文豪達のカフネ」。先日CDを購入して聞いたところ、目ン玉飛び出そうなくらいの名作で、

「これはもっと世に広めなければいけない作品だ!(意訳:もっと被害者を増やしたい)」

と思い、レビュー記事を書くことにしました。
※18歳以上推薦作品なので18歳以下は買っちゃだめだぞ♡

【作品名】文豪達のカフネ第二巻 園原藤村
【レーベル】カナリアレコード(Chouette)
【キャスト】佐和真中
【公式サイト】http://canaria-rec.com/otome/chouette/文豪たちのカフネ/

文豪達のカフネ第二巻は、島崎藤村を題材にとった架空の作家・園原藤村が登場する物語。声をあてているのは、シチュ界のレジェンド、ダミヘの申し子、ダミヘ職人の異名をとる佐和真中さん。いや~素晴らしい素晴らしいお芝居でした。堪能させていただきました。

以下、本作品の感想です。

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1、ヤバイおじさんと姪っ子の再会

冒頭、街を歩いているのが本作のヒロイン。作家・園原藤村の家の住み込み家政婦として働くことになったものの、道に迷って右往左往していたところ、突然背後から声をかけられます。

「だーれだ?」

ヒイッ!

ヒロインちゃんはビックリして、思わず鞄を落としてしまいます。

この声の主こそ、作家・園原藤村その人。ヒロインちゃんの叔父さんで、二人は叔父・姪の関係なんだそうです。12年ぶりの再会にも関わらず、園原先生は挨拶もそこそこに荷物を奪ってから、いきなり「手をつなごう」とグイグイくる。

「俺とは嫌、かな…(不穏)」

まるで選択肢が1つしかないような聞き方です。ここで断ったら豹変して発狂するんだろ?知ってるぞ……(執着eye2で予習済み)

結局押し切られた姪っ子ちゃん。二人は仲良くお手々をつないで園原先生の家(別名:愛の巣。後述)に向かいます。

で、園原先生宅についてから世間話をする二人。姪っ子ちゃんに仕事を褒められ「そんなことないよ~」と満更でもなさそうなところ、煙草を咥えてフゴフゴ喋るところが可愛いですね。ただ、家政婦だからといって「なんでも頼んでいいの?」に勢い頷いたら、絶対取り返しつかないことになるな。それは分かる。

好き好きオーラを隠そうともしない先生は、初めて抱っこしたときは天使だと思った、胸をしめつけられた、女中に妬いてたのが可愛かった、と姪っ子ちゃん可愛いエピソードを披露します。そして急に感極まった声を出して彼女に抱きつき、

「そうだね、君を随分と待たせてしまった……俺もずっと、この日を待っていたよ」
「やっと、あの時の約束が果たせる」

と言い出します。ん??約束とは??

先生いわく、12年前二人は結婚の約束を交わしたとか。姪っ子ちゃんはすっかり忘れており、抱きついてスリスリしてきた園原先生を突き飛ばしてしまいます。

「ちょっと待って、ああ~もしかして、俺を試しているのかな?」
「お兄ちゃんのお嫁さんになると言ってくれた約束を忘れるはずがないだろう」

ここから、かなり言動が怪しくなってきた園原先生。姪っ子ちゃんから「好きな人がいるんです」と打ち明けられると「は?」と豹変します。めっちゃイライラしはじめ、案の定、情緒不安定になって暴発。

「誰だよ、そいつ」
「ねえ、誰?」
「ふざけるのも大概にしてくれ!俺は12年間、君の言葉を信じて待ち続けていたんだよ!」

シリアスなシーンなんですが、半狂乱になる園原先生に笑ってしまいました。そんなに!?そんなにか!?

「君が俺以外の男を好きになるはずがないよねえ!?」

根拠ない自信で言い切る先生。自分の気持を否定しないでくれ、それだけはやめてくれ、と繰り返し、しまいには泣き出します。

「ほぅら、お兄ちゃんのほうへおいで~~」

姪っ子ちゃんはきっと「嫌!キモい!」と思ったことでしょう。me too。
思わず帰ろうとする姪っ子ちゃんに向かって、

「帰すわけないだろ」

園原先生は後ずさりする姪っ子ちゃんを追い詰め、今度は「君は兄貴(姪っ子ちゃん父)に洗脳されているんだよ」と言い出します。ヤバイ男特有の症状1:話が通じない。
で、結局、姪っ子ちゃんは園原先生に無理矢理あんなことやこんなことをされてしまいます。

その最中、園原先生の口から

「君の父親は愛人に子ができて金をせびられたから、実の娘を売ろうとしていた」
「他人に売るくらいなら面倒見るから寄越せといって、俺が引き取ったんだよ^^」

という衝撃の事実が明かされます。父親から何も聞かされていなかった姪っ子ちゃん大ショック!

「ほら、好きって言ってよ。そしたら今までのこと全部許してあげるから」
「ほら言って?」
「言えよ」

精神攻撃からの「好きって言って♡」三段活用に負け、ついに「好きです」と言っちゃう姪っ子ちゃん。その一言でコロッと態度を変え、これからは二人で幸せになろうねえ~と軟化する園原先生の気持ち悪さが最高です。ここ、めっちゃ好き。

そんなこんなで、不穏な夜は更けてゆく……。園原先生はこの間も「約束思い出した?」と執拗に聞いてきます。悪夢ですね。

2、婚約指輪と秘蔵コレクション

朝、おもむろに婚約指輪を取り出す園原先生。
嫌がる姪っ子ちゃんの指に無理矢理指輪をはめて(サイズ小さいのに、めっちゃグイグイ押す)、「外したら承知しないから♡」と言います。何するつもりだ。

で、今日から暮らす園原宅改め二人の愛の巣(悲惨)は、園原先生の手によって集められた姪っ子ちゃんコレクションで埋め尽くされていました。ヤバイ男特有の症状2:収集癖ですね。

【先生の姪っ子ちゃんコレクション】

1、写真(姪っ子ちゃん以外の顔はマジックで塗りつぶす)(狂気)
2、花かんむり(枯れてボロボロ)
3、結婚の約束したときに交換したビードロ玉(彼女にとっても宝物だと信じて疑ってない)
4、姪っ子ちゃんのへその緒

家からくすねてきた「へその緒」にチュッチュして、「ハア……♡」と感嘆するところ最高ですね。めっちゃ気持ちよさそう。ド変態すぎてこんなの笑ってしまう……。

でも最後に、「君に限ってそんなことないと思うけど、くれぐれも俺の元から逃げようとする愚行はやめてね。兄貴のことが心配なら尚の事、ね……」と意味深なことも言ってきます。何する気だよ。

3、姪っ子ちゃん、発症

園原先生が自慢のコレクション写真を見せて悦に入っているとき、姪っ子ちゃんがいきなり倒れてしまいます。
実は姪っ子ちゃん、自身の母親と同じ不治の病に侵されていたんですね。園原先生もそれを知ってて、「大丈夫、お兄ちゃんが守ってあげる」と慰めます。まったく慰めになってないと思うけど慰めます。

で、1週間、医者の薬を服用したそうですが効かないので、どこぞから新しい薬(?)を持ってくる怪しい園原先生。
いわく、その薬(?)を打つと疲労がポンッ↑と取れるそうで(この絶妙に隠せてない感じが最高)、姪っ子ちゃんはその得体のしれないさにビビって当然嫌がるんだけど、「派閥仲間の名医から手に入れたんだよ~薬局でも売ってるものだから大丈夫~」と言って、無理矢理納得させようとするんですね。

「聞き分けのない子だね、病院には行かなくていいって言ってるんだ」

悪い虫がつくからという理由で姪っ子ちゃんの外出を禁止し、それでも聞かないと「今度は医者をたぶらかすの?」と酷いこと言い、何が何でも注射をしようと迫ってきます。

「腕、出して」
「出 し て?」

今度は「腕、出して」の2段活用に負ける姪っ子ちゃん。先生は駆血帯で腕をしばり、肌をペンペンして(ここのSE好き)血管を浮かせてから、

「ここにしよ♡」

と、めっちゃ軽いノリで、お注射をぶっ刺してくれます。園原先生が打ってくれたお薬(?)のおかげで、姪っ子ちゃんはとりあえずの痛みからは解放されました。でもそのお薬(?)、たぶん中毒になることで有名なヤツ……

4、先生の書斎で回想録なるものを発見

「何をしているんだい?」

後ろからいきなり声をかけられ、読んでいた原稿を落としてしまう姪っ子ちゃん。園原先生が煙草を買いに出かけたとき書斎に忍び込み、そこである原稿を見つけたようです。その原稿とは、園原先生が書いた二人の回想録。姪っ子ちゃんは、この回想録で注射の中身を知ったらしく、「騙したんですか」と園原先生を責めます。

「騙す?あっははははははh」

全く反省してない園原先生。高笑いしながら「君のためなんだよぉ~?」的なナメた態度を取るので姪っ子ちゃんはブチ切れ、ビリビリィ!と回想録をやぶり捨てます。それを見て今度は園原先生がブチ切れます。ド修羅場ですな……

で、姪っ子ちゃんをおとなしくさせるため、またもや疲労がポンッ!と消えるお注射をブッ刺す園原先生。そのまま無理矢理「お兄ちゃんと呼んでプレイ」を強要します。
ここの先生、最高に楽しそうです。ステラワース特典でも変なプレイ(お医者さんごっこ)を強要していたので、元々そういうの好きなんでしょうね。ド変態だな。

5、そして二人の最後の夜

回想録には病気についても書かれていたようで、姪っ子ちゃんはすでに自らの死期を悟っていました。夜、「私は死ぬんですか?」と園原先生に尋ねます。

「ああ、もうじき死んでしまうよ。君の身体は今の医学では治すことができないんだ」
「大丈夫、俺もじきに逝くよ……君のいない世界に俺の生きる意味なんてないからね」
「なぜって、誰よりも、君を愛しているからだよ」

ああ~これはこれで純愛だなぁ……島崎作品のエゴチズムはどこへ?って感じだ……。

で、今度は先生が彼女に尋ねます。

「ねえ、ひとつ聞いてもいい?死にゆく気分は、一体どんなものだい?この世を去らなくてはいけないというのは、どんな気持ち?」

園原先生は、自身の長編小説を完成させるために、その気持を聞かせてほしいと頼みます。「ああ、泣かないで」と慰めつつ、「もっと聞かせて」と言うんだなぁ、ここ。

「死にゆく気分は~」は、島崎藤村が田山花袋に尋ねたことで有名な台詞ですね。田山は「なにしろ、誰も知らない暗いところへ行くのだから、なかなか単純な気持ちではない」と答えましたが、姪っ子ちゃんは泣きながら先生にどのような答えを返したのでしょうか。うう~む。

そして、このあと二人は最後の夜を迎えます。
園原先生は姪っ子ちゃんに最後のお兄ちゃんプレイを強いるんですが(色々台無しだよ)、その間にも姪っ子ちゃんは衰弱していきます。で、最後は先生の腕の中で静かに息を引き取るんですね。痩せ細った指からは婚約指輪が外れて、床にコロコロコロ……

ーー静寂ーー

「静かな夜だね、不思議だ。どうしてこんなに心が穏やかなんだろう」
「また一人になってしまった。せっかく君と一緒になれたのに、二人きりになれたのに……与えられた時間があまりに短すぎた……あれ?」

床に転がった指輪に気づいた園原先生。拾って彼女の指に嵌めようとしますが、彼女の細すぎる指からまたスポッと抜け落ち、コロコロコロ……

園原先生は転がる指輪を見て号泣。聞いていると、こちらの胸も締め付けられるほどの慟哭です。あああああ~~辛い。

が、その泣き声は次第に「ううううう…う、ふふふふふ」という笑い声に変わっていきます。ん?んん???

「あー本当に、間に合ってよかったぁ……」

---おしまい---

最後の「本当に間に合って~」は聞く人によって解釈分かれるでしょうが、私は

「死ぬ前に彼女の心情を聞き出せてよかった。ずっと悩んで筆が止まっていたが、これであの小説を完成させることができる」

という意味に受け取りました。
が、アニメイト特典でのあの弱々しい感じをみるに、「園原先生すでに中毒になってる説」もアリな気がする。

機会があれば、この作品の題材となった島崎藤村と姪・こま子についての記事も書いてみたいと思います。カフネは3作ともいい作品だな~本当に。このCD聞いてからまた文学史やりたくなってきた。

6、可愛いがすぎるキャストトーク

「ううぇいあ~あ~あ~」という佐和さんの叫び(嘆き?)からはじまるキャストトーク。本編収録直後ということで涙目です。めっちゃズビズビ言ってる。

「カナリアレコードさんのCDは、つらい!!」発言は、めっちゃわかる……と思いながら聞いていましたが、同時に「すいません諦めてください」とも思いました。諦めてまだまだヤバイ男演じてください。

7、アニメイト特典CD「彼の人の心情」

「書けない……」
「どうしても彼女の心情が分からない」
「早くしないと時間が」

と、ブツブツ呟いている園原先生。原稿が書けないようです。
そこへやってきた姪っ子ちゃん。こちらはどうやら咳が止まらないようです。
いつものように疲労がポンッ↑となるお注射をしてもらい、あれよあれよと園原先生による恒例のお兄ちゃんプレイがスタート。

途中、園村先生も「今日は俺も使っちゃおうかな~」的なノリでお注射し、完全にキマっちゃいます。姪っ子ちゃんが心配してくれるとそれを異様に嬉しがったり、「あ~しかたないなぁ~~」と嬉しそうな声をあげ、あは↑はは↓~と物凄く楽しそう。アップダウン激しすぎて、さすがに心配になってくるレベルの酩酊具合です。

でも途中、

「君とお揃いなら何だって受け入れられる……何だって、ね……」

みたいな事をポロッとこぼすので、「この人やっぱり、姪っ子ちゃんが死んだあと例の小説を出したら自ら命を断ってしまうんだろうなぁ…」と感じました。これは彼の純愛なのか、それとも中毒患者にありがちな神経衰弱なのか。うう~む、深い。

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