歌唱力をアップさせるためには避けて通れない「腹式呼吸」。ボイストレーニングの教本には「お腹に空気を溜めるイメージ」などと書かれていますし、ボイストレーニング教室の講師の方も同じ事を言うんですが、実際にやってみると……なるほど分からん!
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「腹式呼吸」は難しい
あえて言う必要もないと思いますが、腹式呼吸というのは想像しているよりも遥かに難しいものです。そのため、独習を選ぶと腹式呼吸の感覚を掴むまでに時間がかかり、肝心の歌唱力も伸び悩みます。
一方、ボイストレーニングのスクールに通い、講師から手ほどきを受けると、その時間が大幅にショートカットできます。できるだけ早く歌が上手くなりたい!という人には、ボイストレーニングスクールで発声法を学ぶ方が効率は良いと言えるでしょう。
個人的に、教室がきれいで講師の教え方も上手い!と感じたのはシアーミュージック 。ただ、講師との相性は人それぞれなので、まずは下調べも兼ね、一度無料体験に行くことをおすすめします。
スクールで発声法のやり方だけ学ぶのも、1つの手
私は十代のころ、将来は歌手になる!という野望を掲げ、毎日ボイストレーニングに明け暮れていた時期がありました。その頃、短期間ですがボイストレーニング教室にも通いました。
スクールへ通う事を決心したのは、専門書を購入し独習するつもりでボイストレーニングをしても全く腹式呼吸のコツが掴めず、これでは上達が見込めない!と判断したから。そこで、仕方なく一ヶ月だけ福岡のボイストレーニング教室に通い、トレーニングのやり方を盗むことにしたんです。
ちなみに、そのボイストレーニング教室のお値段は、1時間のレッスン1回が3千500円(※入会費は無料)。私は月に二回通ったので、一ヶ月7千円の出費でした。
ボイストレーニング教室はどこもそうだと思いますが、生徒が目指すレベル(プロ志望とか、カラオケ上達とか)や、本人が重点的に学びたいメニューを組み合わせて、オリジナルのカリキュラムが作れるようになっています。
つまり、あえて課題曲の練習をせず、ひたすら腹式呼吸のトレーニング(要は基礎練習)だけをすることも可能なわけです。ボイトレのやり方だけを学びたかった私は、基礎練オンリーのカリキュラムを組み、以下のようなトレーニングばかりやっていました。
- 上下に動かしているゴムボールに声を当てる
- キーボードで音を取りながらの発声練習
- ブレス位置指導
ボイストレーニングに一ヶ月間だけ通い、講師の方にあれこれ質問をして腹式呼吸を学ぶのは、かなり効率の良いやり方だと思います。本を見るだけでは分からない感覚的なものも、講師に質問しているうちに解決したりしますからね。
ボイストレーニングをやる前は、歌ってじわじわ上手くなるものなのかな?と思っていたんですが、私の場合は英語と同じで、ある日当然、それこそ急に喉が開く間隔が分かるようになり、スムーズに腹式呼吸ができるようになりました。
そして音も細かく取れるようになっていき、自分で「あ!なんか凄くいま歌が上手い!」と感じることができたんですよね。本当にこう、ある瞬間いきなりストーン!と腑に落ちる感じで「ああ!こういう感じね!」と理解できるんです。
では次に、ボイストレーニング教室に通って腹式呼吸をマスターした私が、教室通いをやめた後、一人でどんなトレーニングを行なっていたのかをご紹介します。
一人ボイトレのコツ1:運動は一切しない
歌唱力を上げるためには、まず腹筋を鍛えろ!とよく言われますが、腹筋は歌唱力にそれほど影響しません。私はボイストレーニングを始めてから今日まで運動は一切行わず、そのせいで腹筋だってぷよぷよですが、しっかり声出てますからね。
また、ボイストレーニングと並行して肺活量を増やすための走り込みも必要!とも言われますが、わざわざ貴重な時間を割いてジョギングする必要はないでしょう。日常生活の中で1日に20~30分程度歩く習慣があるなら、それで十分です。あとは、普段から深呼吸をする習慣をつけておけば、自然と肺活量は増えます(ただし勢いつけて吸うとむせる)。
一人ボイトレのコツ2:自宅ではボトルを口に当て、ひたすら歌い込む
歌唱力をアップさせるためには、腹式呼吸を意識してとにかく歌いまくること!これに尽きます。ただ、自宅に防音設備がなければ当然近隣から騒音クレームが入りますので、ここは自分なりの「大声で歌っても声が漏れない方法」を見つけてください。
私が行っていたのは、蓋を外したドリンクボトルのボトルを口に当てながら歌う、というやり方。上記図のような感じです。
口周りだけをピンポイントで塞げば、大声で歌っても全く声が外に漏れません。そこで、スポーツ量販店などで売っている、口の広いドリンクボトルで唇を覆うようにして歌ってみたら、これが結構良かった!
自宅でボイストレーニングをする方の中には声を漏らさないようバケツをかぶってる人もいるようですが、バケツかぶって歌うと良くて酸欠、下手すると二酸化炭素中毒になりかけるので本当にあれはやめてください。ボトルを口に当てて歌う方が声も漏れないし、何より片付けが楽です。あと死ぬしな。
一人ボイトレのコツ3:舌を下顎に固定する、を習慣化
歌っている最中、舌が上下左右に動き回っている人は、100%歌が下手な人です。歌唱力をアップさせるためには、普段から舌をできるだけ下顎にくっつけ、歌うときも極力、舌を固定しておくことが大切。
こうした癖を矯正するには、普段から舌の位置を意識しながら生活するのが1番手っ取り早いです。これが習慣化すると、発声が格段に楽になりますよ。
一人ボイトレのコツ4:ピッチ改善のため、良いイヤホンでインスト音源を聞く
腹式呼吸の発声法と並行して行うと良いのが、ピッチの改善です。
私は昔からどうもピッチが不安定らしく、歌っている最中もよく音を外してしまうんですよね。そこでピッチを改善すべく行っていたのが、良いお値段のイヤホンでインスト音源を延々聞くという、いわゆる「耳コピ」です。耳が良くなるとピッチがかなり改善するので、時間を見つけてはハロプロのインスト音源を聞き続け、ハモリのメロディーを耳コピしていました。
耳コピする際は「ハモリは3度下がどうこう……」と小難しい事は一切考えず、適当にメロディーを探してハミングするだけでOKです。「フゥ~ン」とハミングして音を探っていれば、そのうち否が応でもハモリのメロディーを身体が覚えるので、家事の最中に口ずさむなどして習慣化しましょう。
耳コピを生活の中に取り入れると恐ろしく耳が良くなり、集音能力が格段にアップします。たとえば夜寝ているとき、隣室のちょっとした物音や足音がものすごく鮮明に聞こえたり、4メートルくらい離れている職場の電話応対の声を正確に聞き取れたり。そのせいで音に過剰反応し、騒音に対してイライラしやすくなるなど弊害も出ますが、歌唱力をアップさせたいならそこは致し方ないと思って我慢だ!
ボイストレーニングを続け、歌唱力がアップすると人生が豊かに!
歌が上手くなると、カラオケで一目置かれて周囲からの評価が上がったり、そこから彼氏彼女が出来てリア充になったり、あるいはDTMで曲を自作し公開する楽しみが生まれたり、とにかく人生が豊かになります。
ネットで自作音楽を公開し、そこからデビューのチャンスを掴む人も多いこのご時世。音楽が好きで将来プロになりたい、あるいはセミプロでもいいから世界に自分の歌声を届けたい!という方は、ぜひボイストレーニングを始めてみてはどうでしょうか。
歌が上手くなると、本当に180度世界が変わるぞ!