先月、Google AdSenseのポリシー変更に伴い、AdSense広告の3枚制限が撤廃されました。そこで当ブログでは数日ごとにAdSenseの配置やユニットを変える実験を行い、10パターンの配置でAdSenseのクリック率と収益の変化を観察。今回はその実験結果をご紹介します。
目次
- 1 実験の前提条件
- 2 パターン1:個別記事のタイトル下・記事中にレクタングル大
- 3 パターン2:一番目と記事中央の大見出し上にレクタングル大
- 4 パターン3:最後の大見出し直上にレクタングル大
- 5 パターン4:レクタングル大を記事中に2枚
- 6 パターン5:記事下のソーシャルボタンと関連記事の間にレクタングル大
- 7 パターン6:ブログのタイトル下にモバイルビックバナー
- 8 パターン7:トップページの記事タイムラインにアドセンスを挿入
- 9 パターン8:サイドバー上部にラージスカイスクレイパー
- 10 パターン9:記事上・記事下にそれぞれダブルレクタングル大
- 11 パターン10:記事上・記事下にダブルレクタングル、リード文直下にビックバナー
- 12 Google AdSenseを10パターン試して分かったこと
実験の前提条件
AdSenseはブログの記事によって単価が大きく変わります。当ブログはハロプロやライフハックネタを中心とした雑記ブログなので、元々AdSenseの単価は低め。そして、はてなブログPROを使用してるので、読み込み速度も遅め。AdSenseが読み込まれる前にスクロールされることもしょっちゅうです。そんな当ブログのスペックをまとめるとこんな感じ。
- 使用しているのは、はてなブログpro。テンプレートは「Blank」
- 2カラム・レスポンシブデザインを採用
- デザインは白ベースのシンプルデザイン。個別記事内に使う色味も少なめ
- 1記事当たりの平均文字数は3000字
- 半数がエンタメ記事。完全に雑記ブログ。
- ページの読み込み速度は平均4.3秒
こうした条件の元で、今回10パターンのAdSense配置を試してみました。
パターン1:個別記事のタイトル下・記事中にレクタングル大
ユニット | 配置場所 | サイズ |
---|---|---|
レクタングル大 | 個別記事のタイトル直下 | 336×280 |
レクタングル大 | 記事中真ん中の大見出し直上 | 336×280 |
ダブルレクタングル(大×2) | 記事直下 | 336×280 |
個別記事のタイトル下にAdSenseを配置することについてはユーザビリティー面で賛否両論あると思うんですが、はてなブログの場合この配置は論外です。というのも、はてなブログは元々サイトの読み込み速度が非常に遅く、AdSense広告が読み込まれる前に9割がたスクロールされてしまうんですよね。要は遅延が発生するんです。
タイトル下に広告を置いても表示回数・アクティブビューともに数値が低く、まったく収益に繋がりません。ここははっきり言って置き損です。
上に配置してあるものから高単価の広告を振り分けられるというAdSenseの仕様上、スルーされるタイトル下に無駄な広告を置くと、最もクリックされる記事下の単価にも当然悪影響が出てしまいます。収益が低いほうが燃える!というドMな人以外は止めておいたほうが無難でしょう。
パターン2:一番目と記事中央の大見出し上にレクタングル大
ユニット | 配置場所 | サイズ |
---|---|---|
レクタングル大 | 1番目の大見出し直上 | 336×280 |
レクタングル大 | 記事中真ん中の大見出し直上 | 336×280 |
ダブルレクタングル(大×2) | 記事直下 | 336×280 |
これはブログの特性や記事の内容にもよると思うんですが、当ブログの場合はなんだかんだで最後まで記事を読んでくださる方が多いらしく、1番目の大見出し直上にレクタングル大を置いても表示回数・アクティブビューともに低い数値で効果なし。
あと、Wi-Fiだとそうでもないんですが、モバイルデータ接続(3G/LTE)のときは読み込みに時間がかかるのが不安要素。これは明らかに広告が表示される前にスクロールされている……と感じたので、最初の大見出し直上のAdSense広告は5日程度ですぐに撤廃。効果はタイトル下に配置した場合と同じくらいでパッとせず、個人的にはここもおすすめできません。
パターン3:最後の大見出し直上にレクタングル大
ユニット | 配置場所 | サイズ |
---|---|---|
レクタングル大 | 記事最後から2番目の大見出し直上 | 336×280 |
レクタングル大 | 記事中最後の大見出し直上 | 336×280 |
ダブルレクタングル(大×2) | 記事直下 | 336×280 |
当ブログの個別記事は最後に「まとめ」や「総括」でくくっています。これらは全て大見出しをつけているので、その直上にレクタングル大。さらにその上、最後から2番目の見出し直上にもレクタングル大を設置。これは、一番クリックされるのが記事下ならAdSenseも記事下に固めてみると良いのでは?と思ったからです。
記事直下との距離が近いのでクリック数は伸びないかも……という考えもありましたが5日間観察してみると、この3つの中で最もクリックされたのは記事最後の大見出し直上!その次が記事直下のダブルレクタングル(左)、最後から2番目の大見出し直上は最もクリック数が悪いという結果になりました。
おそらく、「まとめ」という大見出しが目に入ると、記事をシェアする気のないユーザーはここで離脱するんでしょう。そのため、記事直下よりも最後の大見出し直上の方がクリックされたのだと思います。どちらもCTR的には悪くはありませんでしたが、やはりAdSense同士の距離が近いので「広告だらけ!」という印象を与えユーザビリティを損ねる可能性があるかも、と当ブログでは採用しませんでした。
記事直下のAdSense広告をクリックさせたいなら、最後の見出しを「まとめ」にせず、まだ続きがあるのかな?という思わせぶりな見出しを付けると良いかもしれません。
パターン4:レクタングル大を記事中に2枚
ユニット | 配置場所 | サイズ |
---|---|---|
レクタングル大 | 上から2番目の大見出し直上 | 336×280 |
レクタングル大 | 上から3番目の大見出し直上 | 336×280 |
ダブルレクタングル(大×2) | 記事直下 | 336×280 |
誤タップが多くなり単価は下がる、と聞きつつ、恐る恐る導入したのがこの記事中にダブルレクタングル大を2枚設置する方法。当ブログは記事によって大見出しの数がまちまちですが、JavaScriptで上から2番目と3番目の大見出し直上にレクタングル大を自動挿入してみました。
数日様子を見てみましたが、この記事中2枚は非常にクリック率が悪い。単価も下がり結果は燦々たるものです。途中で読む気を無くしたユーザーが離脱するさいクリックしてくれるかも……と思っていたんですが、これは予想外でした。記事中2枚より記事下ダブルレクタングルがクリックされていたので悩む余地もなく撤廃です。
パターン5:記事下のソーシャルボタンと関連記事の間にレクタングル大
ユニット | 配置場所 | サイズ |
---|---|---|
レクタングル大 | 1番目の大見出し直上 | 336×280 |
レクタングル大 | 記事下SNSボタン直下 | 336×280 |
ダブルレクタングル(大×2) | 記事直下 | 336×280 |
記事下が一番クリックされるなら、他のAdSense広告も近い場所に置いたほうがいいのでは?と思い、一時期、記事下のソーシャルボタンとその下に設置していた関連記事ユニット(Milliardプラグイン)の間にJavaScriptでレクタングル大の広告を自動挿入していました。
結果としてこの場所はイマイチ。クリック数は記事下アドセンスと同じくらい稼げるんですが、そのぶんアクティブビューが低下して1クリックの単価をガクンと下げる結果になりました。レスポンシブデザインの場合、関連記事を読む気がないユーザーはそもそも記事下へスクロールしませんから、多分そのせいでしょう。全体的にサイトの離脱率が高めならこの配置をする意味は皆無ですね。
パターン6:ブログのタイトル下にモバイルビックバナー
ユニット | 配置場所 | サイズ |
---|---|---|
モバイルビックバナー | ブログタイトル直下 | 320×100 |
ダブルレクタングル(大×2) | 1番目の見出し直上 | 336×280 |
ダブルレクタングル(大×2) | 記事直下 | 336×280 |
スマートフォンに最適化するなら、上部に常時表示されているブログタイトルの直下にラージモバイルバナー(320×100)を表示させるのもアリかな……と思い、試しに導入してみました。
ラージモバイルバナーは480pxをブレイクポイントに設定し、パソコン・タブレットなら非表示、スマホ端末なら表示させるようにCSSで指定。ただここでもネックなのが、はてなブログの読み込み速度です。
ブログのトップページを表示させたとき、スマホだとラージモバイルバナーが読み込まれるまで1~2秒ほどの遅延が発生し、この間にスクロールされる可能性が非常に高い。5日間導入して表示数などの推移を見ましたが、数値が低すぎて白目剥きました。タイトル直下にAdSenseを配置しても効果はほとんどないと考えて良いでしょう。
パターン7:トップページの記事タイムラインにアドセンスを挿入
ユニット | 配置場所 | サイズ |
---|---|---|
レクタングル大 | トップページの5番目記事直下 | 336×280 |
レクタングル大 | トップページの10番目記事直下 | 336×280 |
レクタングル大 | トップページの15番目記事直下 | 336×280 |
当ブログは先日ちょっとトップページのカスタマイズをしまして、今までは記事アイキャッチがドドーンと表示されていたのを、サムネイルに変えてアーカイブページと同じリスト表示に変更しているんですね。そこで、記事5個ごとにAdSenseを自動挿入できないかな……と思いたち、試しに導入してみることに。イメージ的にはホリエモンドットコムのトップページみたいな感じですね。
JavaScriptで指定し、この「トップページにアドセンス自動挿入」を行ってみたんですが、結果としてブログの読み込み速度が2~3秒遅くなったのでこれはいかん!と取り外しました。
パターン8:サイドバー上部にラージスカイスクレイパー
ユニット | 配置場所 | サイズ |
---|---|---|
ラージスカイスクレイパー | トップページのサイドバー上部 | 300×600 |
ダブルレクタングル大 | 個別記事の1番目大見出し直上 | 336×280 |
ダブルレクタングル大 | 記事直下 | 336×280 |
クリックされる広告に共通しているポイントは 「サイズが大きく目立っている」 こと。このポイントを優先し、サイドバー最上部に導入してみたのが縦長のAdSense広告、ラージスカイスクレイパー(300×600)です。ラージスカイスクレイパーもメディアクエリで指定し、タブレット・スマホ端末なら非表示、パソコンでのみ表示させていました。
5日ほど様子を見てみましたが、当ブログではあまり表示・クリック率が良くない。トップページの読み込み速度も1秒程度遅くなりましたし、パソコンでサイトを開いたときにファーストビューでドカーンと大きな広告が目に入るのも鬱陶しいな……と色々考えた末、撤廃することに。
パターン9:記事上・記事下にそれぞれダブルレクタングル大
ユニット | 配置場所 | サイズ |
---|---|---|
ダブルレクタングル大 | 1番目の大見出し直上 | 336×280 |
ダブルレクタングル大 | 記事直下 | 336×280 |
AdSenseポリシー変更で導入可能になったのが、この記事上・記事下のダブルレクタングル(計4枚)。ダブルレクタングルは記事上・記事下あわせて4枚のアドセンスを貼るので、導入に伴い記事中に挿入していたレクタングル大のAdSenseは取り外しました。
スマホ端末でページを開いた場合は、ダブルレクタングルの右側広告のみ非表示に。つまり結果的に個別記事ページ全体のAdSense広告は2枚になるので、当然、単価やクリック率は下がります。しかも上下に大きなレクタングル広告があるのでやはり「いかにも広告貼ってます!」感が出たせいか、クリック率を大幅に下げる結果に。
※自分のブログはどの端末で読まれているのか分からないときは、Google AdSenseのパフォーマンスレポートを開き、レポートタイプを「プラットフォーム」にして確認しましょう。もしもパソコンからのアクセスがそこそこあるようなら、記事上・記事下のダブルレクタングルを導入してみるのもアリですよ。
レクタングル大1つをセンター揃えにするより、左寄せの方がクリックされやすかった!
ダブルレクタングルはレクタングル大の広告が横並びになっているデザイン。クリックされるのは圧倒的に左側に設置している広告ですが、だからといって安易にレクタングルを1つにしてセンター寄せにするとクリック率が大幅に下がります。
特に、レクタングル大をセンター寄せにすると余白が目立ち、結果として広告の印象を薄めてしまうので要注意。右側のレクタングル大があまりクリックされていないようならアドセンスを1枚に減らし、左寄せにしておきましょう。
私のブログはデザインが白ベースでとてもシンプルなんですが、こういうシンプルなデザインだとやっぱりレクタングル大を1つだけセンター寄せにするとスカスカ感が目立ちます。
パターン10:記事上・記事下にダブルレクタングル、リード文直下にビックバナー
ユニット | 配置場所 | サイズ |
---|---|---|
ビックバナー | 記事内目次の直上 | 728×90 |
ダブルレクタングル大 | 1番目の大見出し直上 | 336×280 |
ダブルレクタングル大 | 記事直下 | 336×280 |
記事上・記事下のダブルレクタングルにしたとき、スマホ閲覧時はそれぞれ右側の広告は非表示になります。記事内のAdSense広告が2枚というのも寂しいので、記事のリード文と目次の間にレスポンシブのAdSense広告を設置してみました。
これはパソコン表示だとビックバナー、タブレット・スマホだとそれぞれのディスプレイサイズに応じたモバイルバナーが表示されます。リード文の直下は離脱率が高い部分ですし、読み進める方もまずは目次を見て内容を確認するはず。リード文と目次の間にAdSense広告を置くことで、離脱するユーザーにクリックしてもらおうという狙いです。
導入してからまだ5日程度ですが、現時点では記事中に設置するよりもクリック率・単価が下がっています。上部に広告を固めてしまうと離脱率も高くなり、ユーザビリティを大幅に損ねてしまうことの証明ですね。リード文直下にビックバナーを設置しているサイトはよく見かけるんですが、当ブログにはマッチしませんでした。
Google AdSenseを10パターン試して分かったこと
この一ヶ月、AdSenseの組み合わせを変えてブログに導入してみましたが、最終的に最も収益が上がったのは以下の組み合わせです。
ユニット | 配置場所 | サイズ |
---|---|---|
レクタングル大 | 2番目の大見出し直上 | 336×280 |
レクタングル大 | 最後の大見出し直上 | 336×280 |
レクタングル大 | 記事直下 | 336×280 |
結局、いくらGoogle AdSenseのポリシーが改定されたからといって、広告をベタベタ貼りすぎるとクリック率・単価などをガクッと下げてしまうということです。個別記事内に最大で5枚ほど貼ってみても、結局収益が高いのは上記のレクタングル大3枚の方でした。というわけで、当ブログは今後もしばらくレクタングル大3枚だけでいくことにします。もしかするとまた検証のために他のユニットを一時的に置くかもしれませんが……。
AdSenseの貼り過ぎはユーザーに嫌われますし、このように収益を低下させる原因になるのでほどほどに!