関ジャム 完全燃SHOWでモー娘’15がみせた「ストイックさ」に漂う違和感

モーニング娘鞘師里保

10月25日に放送されたモーニング娘。’15出演の「関ジャム 完全燃SHOW」を視聴しましました。その後、ネットの感想なども調べてみましたが、「我が軍の勝利!」的ムードなのが私的には何だかなあ……という感じです。これ、勝利でしょうか?確かに最後の「What’s is LOVE」のコラボは素晴らしかったですが、一般人はこの番組を観て、本当にモーニング娘。’15のファンになってくれるのでしょうか?

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「体育会系・ストイック」を売りにするとかふざけてるの?

ゲストにモーニング娘。‘15とMay J. with クリス・ハートを迎えトーク&ジャムLIVE!トークJAMでのモーニング娘。‘15では、結成から18年、常に進化を続けてきたモー娘。のスゴさを徹底分析。モー娘。の表も裏もすべて知り尽くした事務所のスタッフがスタジオに来訪し、モー娘。が他のアイドルとは違うところを解説していく?

関ジャム完全燃SHOWに出演したモーニング娘。’15は、まず代々受け継がれてきた「メンバー同士の上下関係」について言及していました。

モーニング娘。が結成当時から上下関係に厳しかったことや、後輩メンバーが先輩メンバーに敬語を使っているのは、ファンの間でも周知の事実です。しかし、この上下関係を強化させ、敬語強要を徹底させたのは、9・10期メンバーの教育係を担当した8期メンバー光井愛佳。

確かに、モーニング娘。に結成当時から厳しい上下関係は存在していたでしょうが、9期以前は上下関係をメディアで強くアピールすることは少なく、そもそも「中澤リーダー時代から上下関係の厳しい掟がある」と明言されたことは一度もありません。

だからこそ、これまでのメンバーいじりには痛々しさがなく、むしろそのイジりを「笑い」に変えることができたのです。 この頃のモーニング娘。は、先輩・後輩関係なくお互いをニックネームで呼び合う「緩さ」も持ち合わせており、メンバー同士の仲の良さが垣間見えるシーンも、度々あったように思います。

モー娘。ストイックアピールは誰も得しない

私が今回の関ジャムを見て思ったのは、このような悪習(少なくとも私はそう思っています)を取り上げて「体育会系・ストイック」なモーニング娘。を世間にアピールすることに、何の意味があるのか?ということです。

ファンである私でさえ、9期メンバーが数年前に加入してきた大先輩であるかのように振る舞い、ほとんど加入期が変わらず同世代である10期メンバーに敬語を強要している姿に違和感を覚えるのですから、世間が感じ取る違和感は、さらに大きいのではないでしょうか。

当事者の9・10期メンバーは、お互いの加入期に強いこだわりを持っていません。ハロプロエッグとして9期メンバーより長くハロプロに在籍している工藤遥は、9期メンバーの鈴木や譜久村をニックネームで読んでいたら本人には何も言われなかったけれども、マネージャーに「上下関係はきちんとしましょう!と言われて」敬語で呼ぶようにした、とも語っています。

つまり、こうした上下関係は当人が自然に形成したものでなく、モーニング娘。というブランドが、そして事務所が強要しているものに過ぎません。それを「体育会系だから」と世間にアピールする事務所のやり方は完全に間違っているのではないかと、私はそう思うのです。

「上下関係が厳しいんです!」「お弁当はまず先輩から選ぶんです!」こんなアピールは正直どうでもいい。メンバーが一所懸命トークでアピールしても「ふーん、それで?」で終了。

第一、このアピールで「あ、そうなの!お弁当先に選ばせてもらえないの~~?大変だね!じゃあ私がファンになってあげるよ、ついでにCDも一緒に買ってあげる!モーニング娘。’15最高!!」と思ってくれるような、チョロい一般人がどこにいるのでしょうか。

「体育会系アイドル」アピールで事務所は一体何をしたいんですか?新しいモーニング娘。’15をお茶の間に印象づけたい? こんなに頑張っているんだよと「影で努力してます」アピールをしたい? CDの売上につなげたい?何にせよ、モーニング娘。’15を売り込みたいと思ったら、もっとピンポイントにテーマを絞り込んでいかなくては意味がない。

モーニング娘。の伝統をアピールするのは構いませんが、それが「体育会系」ではインパクトが弱すぎます。関ジャムを観てモーニング娘。’15に関心を持つ一般人がいても、これでは数日後にその存在すら、綺麗さっぱり忘れ去られることでしょう。

モーニング娘。の持つ「アットホームさ・多幸感」はどこへ?

「アットホームなモーニング娘。」は、道重さゆみがモーニング娘。’14時代に作り上げ、今のメンバーへ残してくれた財産。DVDマガジンでのコンサートの舞台裏映像を観ると、いかに今のメンバーが和気あいあいとした雰囲気で、そしてアイドルとしてひたむきなのががよく分かります。最近のカッコいいEDM路線で忘れられがちですが、モーニング娘。が持っている最大の魅力は何といっても「見ているだけで幸せになれるような多幸感」です。

道重も高橋愛も、「モーニング娘。を多幸感のあるアットホームなグループにしたい!」と常々、語っていたじゃありませんか。それが真逆のストイックな体育会アイドル?アットホームのアの字もない、上下関係に厳しくギクシャクしている今のモーニング娘。’15を見たら道重や高橋は何を思うのでしょうか。上下関係の伝統?受け継いだって何を?正直こんな映像を見せられると白けます。

それにあの演出も(事務所が書いた台本なのが分かっいても)、私は観ていて非常に不愉快でした。

舞台裏では年相応の顔をみせ、多幸感をかもし出すメンバーが本番になると一転、人が変わったようにストイックになる……本来ならそうしたギャップを見せなければいけないのに、関ジャムではこの辺の映像が全く流されませんでした。だから、コンサート後の駄目出しのシーンが唐突に思えてしまう。楽屋での反省会も単なる佐藤いびりにしか見えず、鞘師の株を大幅に下げる結果になってしまった……。

事前に仲の良いメンバー同士のシーンを流しておけば、コンサート後の反省会シーンで出た叱咤の意味や、コンサートに賭ける本気さがよりスムーズに視聴者に伝わったはずですから、この辺は構成の下手さで損をした感じですね。

にしても、メディアやリリイベ、インタビュー、ブログ……モーニング娘。’15は、ファンを不快にするシーンや発言が多すぎますね。9期は同期不仲を暴露する。石田による度を越した小田いじりもある。鞘師のぼっちキャラをマネージャーが世間にアピールして晒し者にする……はっきり言って異常です。

本人達はおそらく「これが受けるんでしょ?」的なノリでやっているんでしょうが、どうみても完全にスベってます。内輪ネタバラエティや学生サークルが空気を読まず、自分たちだけ面白くなってウェイウェイしているあの寒いノリを、モーニング娘。に持ち込むなよ、と。

後輩・佐藤にダメ出しをする鞘師の「違和感」

同番組には「コンサートの反省会で10期メンバー佐藤にダメ出しする鞘師」というワンシーンがありました。おそらくメディア向けの台本だと思われますが、このシーンを観て私は「またAKBの真似かよ」と思わずにいられませんでした。

AKBのドキュメンタリー映画「DOCUMENTARY OF AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る?」では、総監督の高橋みなみが、メンバーに「寝たいなら家帰れよ」と厳しく叱咤するシーンがありました。こうしたシーンは総じて「秋元康の演出」だと思いますが、関ジャムの鞘師による佐藤叱咤シーンは、まさにこの映画の高橋みなみを彷彿とさせるものでした。

このシーンの鞘師に漂うのは、「え?キミがそれ言っちゃう?」という1種の違和感です。2015年以降、鞘師はぶくぶくと太ってしまいセンターの威厳もどこ吹く風。おそらく自分でも危機感は持っているでしょうが、自分の体型管理もできていない、今の鞘師が佐藤を叱ってはまさにブーメランで、視聴者も「お前それ自分の体型見ても同じこと言えんの?」とツッコまずにはいられないでしょう。

加えて、鞘師は目つきもキツい。「小さいよ、声が!」などという台詞を口走ると、嫁をいびる姑のような印象を与えるだけです。ここは譜久村リーダーが優しく叱ってみせた方が良かったのではないでしょうか。

汚れ役はナンバー2が引き受けリーダーはきれいな神輿のままでいてもらう、という「燃えよ剣」のようなスタンスでいくなら、サブリーダーの生田が注意しても良かった。

それ以前に、全員がモニターを見ながら反省会というシーン設定が、まず良くない。

反省会のときはあくまで「真剣な目でモニターを見つめるメンバーたち」くらいのテロップにする。で、カメラが回っていないときに鞘師が佐藤を呼び出し注意するというシーンならまだ見せようもありました。とにかく、いくら先輩でもメンバー全員の前で「小さいよ、声が!」と叱責し、晒し者にしてしまうのは良くない。

メンバーを貶めるだけの「暴露話」には何の意味もない

私は、今回の関ジャムにおいて本当にモーニング娘。’15がアピールするのは「体育会系でストイックなアイドル」ではなく、スマイレージのような「事務所から不遇の扱いを受けるアイドル」で良かったのではないか、と思います。

そうすれば、メンバーのギスギス関係が世間に露見することもなかったし、鞘師が印象を損なうこともなかった。何より「可哀想に……これだけ頑張ってるのにこんなに扱いがひどいのか!じゃあCD買ってあげよう!」と人々の感情に訴えることもできたはずです。

視聴者に不快感と誤解を与えない事を大前提にし、MCが思いっきりイジりやすく、かつメンバー誰もが印象を損ねないネタを選ばなければメディアに出る意味がない。今回の関ジャム出演で、鞘師は好感度下げたでしょう確実に。

モーニング娘。’15を地上波で取り上げてもらえる機会は少ないので、本当は両手を上げて私も「我が軍の勝利!」と叫び、祝杯でもあげたかったのですが、肝心の内容が内容だったので、かなり残念。 しかし関ジャム出演をきっかけに、今後メディア出演が増えれば嬉しいですね。とりあえず、モーニング娘。’15のみなさん、お疲れ様でした。

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