モーニング娘。’15が再ブレイクできない理由と間違いだらけのプロモーション戦略

モーニング娘小田さくら

8月19日、モーニング娘。’15が「Oh my wish!/スカッと My Heart/今すぐ飛び込む勇気」を発売する。3曲のうち、おそらくメディアで披露するのは「Oh my wish!」だと思われるが、今回センターに抜擢された鈴木香音が10キロダイエットネタでひと笑い取れるとはいえ、もはや飽きられはじめているこのネタだけを頼りに新曲を売り込んでいくのはやや心もとないものがある。もう今から不安です……。

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モーニング娘。’15がパッとしない理由=プロモーションが原因?

現在のモーニング娘。’15には、かつて「再ブレイクか!?」と持ち上げられ、5作連続オリコン1位を獲得していた’14時代の勢いはない。

人気低下の一因は言うまでもなく「道重さゆみの卒業」だ。しかし私にはそれ以上に、ハロープロジェクトを運営しているアップフロントが行なう下手すぎるプロモーションが、モーニング娘。’15の人気低迷を招いた1番の原因に思えてならない。

パフォーマンスでは他のアイドルと一線を隠すほどの実力を持ちながら何故モーニング娘。’15はブレイクができないのか。その原因が彼女たち自身にではなく、アップフロントにあると思う3つの根拠を説明していきたい。

ことごとくシングル曲のチョイスを間違うモーニング娘。

モーニング娘。の楽曲は、これまで全てプロデューサーであるつんくが作詞作曲を担当してきた。どこか昭和臭のする曲調、アイドルらしからぬ泥臭さや痛々しさを感じる曲は、ファンに「辛気臭い」と酷評されることもあるが、それでもファンはつんくの曲を心から愛してモーニング娘。と共に応援してきたのだ。

しかしOne・Two・Threeのヒットを受け、ここ1~2年延々とEDM楽曲をリリースし続けたせいで、ファンの間から「またEDMかよ」という言葉を頻繁に聞くようになった。鞘師や石田を活かしきれない、個性を殺したフォーメーションダンスへの移行。誰の声とも判別がつかないほど加工された歌声の多用。これらの要素はファンにマンネリ感を与える原因にしかならなかった。

LOVEマシーンを発売した頃からモーニング娘。を応援している古参ファンなら、EDM路線が明確に打ち出された頃からこの一連の長れを予想できていたはずだ。

日本を巻き込む一大ブームとなったモーニング娘。の代表曲「LOVEマシーン」。総売上164.7万枚、日本の歴代シングル売上ランキング第54位(※2015年7月現在)というこの曲の異例のヒットに味をしめたアップフロント(つんくの意思がそこにどれだけ反映されていたかは不明だが……)は、その後も恋のダンスサイト、ハッピーサマーウエディング、ザ☆ピースと似たテイストの曲を発売したが、これがファンにマンネリ感を与え、5期メンバー増員がダメ押しとなって当時のモーニング娘。の人気は地に落ちた。いわゆる「モーニング娘。暗黒期」のはじまりである。

私はなにも、当時も今も人気低迷のきっかけになった原因がつんくの作る曲のクオリティにあると言いたいわけではない。ただ、シングル曲として発売する曲がA面として扱うにはことごとくふさわしくないために、人気低迷のきっかけを作りモーニング娘。’15再ブレイクの足かせとなっていると言いたいのだ。

【ケース1】ブレインストーミング

ブレインストーミング1
出典:モーニング娘。『ブレインストーミング』 (MV)

たとえば、モーニング娘。通算53枚目のシングル「ブレインストーミング」では、重低音でゴリゴリ押してくるオケのかっこよさと、鞘師石田のダンスバトルなど見応えのある振り付けがファンの興味を引いた。しかし、カップリングである「A B C D E-cha E-chaしたい」の方が遥かに曲のクオリティも高く、メンバー個人の見せ場も多くあるのだ

それにA B C D E-cha E-chaしたいのイントロは、最初の1フレーズが流れただけで「なんだこの曲は!」と思わせるほどのインパクトを持っている。このイントロのワクワク感とインパクトを利用しない手はないから、シングルの売り方としては、ブレインストーミングと君さえ居れば何も要らないにA B C D E-cha E-chaしたいを加え、トリプルA面扱いにするべきだったのではないだろうか。

地上波の歌番組で積極的にA B C D E-cha E-chaしたいを披露すれば、工藤のDoジャンプ、道重の「Chu」、鞘師の「アァ~ン」などメディアと視聴者にたっぷりネタを提供できたし、見どころの多い曲なのできっと視聴者の印象にも残っただろう。

曲中、「DOKIDOKI…」「LOVELOVE…」「1234567…」のパートでは必ずメンバーがソロで抜かれることになる。この露出をきっかけに、今まで田中や道重、鞘師の影に隠れて目立たなかったメンバーも、新たなファンを獲得出来たかもしれない。何より「自分にも見せ場がある」というのは後列メンバーのモチベーションに大きく関わってくるはずだ。

【ケース2】わがまま気のまま愛のジョーク

わがまま気のまま愛のジョーク1

出典:モーニング娘。 『わがまま 気のまま 愛のジョーク』 (MV)

さらに、54枚目のシングル「わがまま気のまま愛のジョーク/愛の軍団」では、この2曲をそれぞれA面扱いにして2週連続リリースという体を取るべきだったと、私は今でもそう思っている。2週連続リリースで1つ話題を作り、54枚目にわがまま気のまま愛のジョーク、55枚目に愛の軍団をリリースする。そして音楽番組では愛の軍団を披露するのが、きっと当時のベストな選択だった。

なぜなら、愛の軍団にはこれぞフォーメンダンスの究極系!と言って遜色ないほど、極めて高いレベルの振り付けという見どころがあったからだ。愛の軍団はサビや間奏の振り付けを見ただけで、ダンスの素養がない人間にもその凄さが伝わる曲だ。にも関わらず、愛の軍団がテレビで披露されたことはまだない。つまり、コンサートに来る根っからのモーニング娘。ファンしか、あの凄いフォーメーションダンスを生で見ていないわけだ。これほどもったいないことはない。

ファンの多くはきっと、初めて愛の軍団を聞いた瞬間「これは間違いなくヒットする!」という予感を感じ取っていただろう。しかし、音楽事務所であるはずのアップフロントにはこの素人でも分かる「確実にヒットするであろう曲を嗅ぎつける嗅覚」を持った人間がほとんどいない。ファンからすれば、もうあの事務所だめだな……と見切りをつけたくもなる。

【ケース3】青春小僧が泣いている

青春小僧が泣いている1

出典:モーニング娘。’15『青春小僧が泣いている』MV

私がさらにがっかりしたのは、12期メンバーのお披露目曲でもあったはずの58枚目のシングル「青春小僧が泣いている/夕暮れは雨上がり/イマココカラ」が、3曲ともシングルとして売り出すにはキャッチーさ・インパクト・話題性、その全ての要素において「色々足りなさすぎた」ことだ。

青春小僧が泣いているは、オケがバキバキでアグレッシブだし歌詞にもつんく節が炸裂している。だからファンであれば戸惑いつつも受け入れることができるだろう。しかし12期のお披露目曲に、明らかに一般受けしないであろうこの曲を持ってくるその神経が私には理解できないのだ。つんくは自身のブログで青春小僧が泣いているについて、以下のようなライナーノーツを掲載している。

「結局最後は自分なんだ」という事がテーマです。いろいろあるのが人生、泣きも笑いも出会いも別れも。泣いたっていいじゃないか。そして、泣くのはこれが最後!って毎回思っていいじゃないか。

と。

誰かがそばに居てくれるという安堵感。これって普遍なんですが、でも、やはり尊い感覚です。つんくなりのJ-POPのEM路線として成熟したサウンドなりました。

時代と共にサウンドの厚さ、音色の好み、ビート感等、変わっていきますが,それでもJ-POPはまだアップテンポがアイドル界で主流なのかもしれませんね。ただ、モーニング娘。に関しては、時代の流れを気にせず常に前向きに空気を掴んで行きたいと思っています。

モーニング娘。’15 4/15 Sg 「青春小僧が泣いている」「夕暮れは雨上がり」ライナーノーツ

つんくがモーニング娘。のために思いを込めて曲を作ってくれただろうことはこの文章を読んで十分すぎるほど分かる。分かるのだが、忘れてほしくないのはこれがただのシングルではなく大事な「12期のお披露目曲」であるということだ。ファンだけでなく、メディアや一般人の多くが、12期を加えた新生モーニング娘。’15に大いに注目している。これはそういう時期にリリースする曲なのだ。

だというのに、相変わらず一般人を置き去りにする摩訶不思議なA・Bメロ。そしてどこがサビなのが分からないうえ、盛り上がりにも欠ける曲構成という代わり映えのなさ。何より、加入したばかりでこれからというフレッシュな12期のお披露目曲に「成熟したサウンド」はいらない。

そして極めつけは、いくら歌唱力が低いとはいえ、12期にたった1文字のソロパートさえ与えない偏った歌割り。シルバーに黒を取り入れた「EDM=スペースチックだからシルバーでカッコいい路線でしょ?」とでも言わんばかりの、やはり代わり映えしないマンネリ衣装。振り付け面でも12期は全くフィーチャーされていない。それどころか、MVの中で1番目立っていたのは鈴木香音の代役として参加したJuice=Juiceの宮本佳林だ。

そもそも「青春小僧」と聞けば大多数が和風をイメージするはずなのに、あんな銀のテカテカ衣装を着せる時点でもうおかしい。曲のイメージと衣装がチグハグで世界観が破綻しているから、どんなにダンスが凄くてもMVがパッとしないのだ。

モーニング娘。’15のシングル曲に必要なのは、キャッチーなイントロと明解なサビだ。新生モーニング娘。を知らない一般人の興味を引き、そこから新規ファンを獲得しようとするなら、どこで盛り上がればいいか分からないような曲を聞かせ続けても意味が無いことにそろそろ気づけよと思う。

先だって発売されていたアルバム「14章~The message~」の中には、キャッチーなイントロと盛り上がるサビを持ち、純粋な楽曲の良さだけで戦える良曲「笑えない話」だってあった。現行バージョンに少し手を加えればシングルとしても十分通用しただろう。笑えない話のイントロは前述したA B C D E-cha E-chaしたいに匹敵するほどのインパクトを持っているのに、この曲をアルバム曲にしてしまうところが、ハロプロがいつまでも低迷する理由だろう。

青春小僧が泣いているに限らず、2014年中盤からモーニング娘。のシングル曲はどれもA・Bメロとサビの境界がはっきりせず単調だ。中にはコンサートで化け再評価される曲もあるが、そんなものは一握り。だから今こそ「ピョコピョコウルトラ」のような底抜けに明るくキャッチーな曲をシングルにし、曲の話題性を足がかりに12期を売り出すときではないのだろうか?

ピョコピョコウルトラは発売当時、ファンの間でも賛否両論ある「超問題作」だった。ファンの中には、モーニング娘。を愛するあまりつんくのtwitterにプロデュースを辞めろと迫るファンもいたほどだ。最終的な売上は34,050枚とあまり振るわなかったものの、コンサートで再評価され今ではモーニング娘。の人気曲となっている。

私は10期のお披露目でピョコピョコウルトラを持ってくるつんくの勝負感に惚れたし、つんくの書くコミックソングは必ず時間とともに評価されると思っていたから、売上が振るわなくても評判が悪くてもかまわないと思っていた。当時掲載されたピョコピョコウルトラのライナーノーツ(これ)には、なぜ今この曲をモーニング娘。に歌わせるのかが分かりやすく説明されていて、やはりつんくは偉大だと関心もした。

だが、12期のお披露目曲となった青春小僧が泣いているはどうだろう。私には12期のお披露目曲が絶対にこの曲でなければならないんだ!とは思えない。あの曲にそこまでの明確なコンセプトや戦略が全く感じられないからだ。今後も青春小僧が泣いているのように、中途半端な曲を中途半端なタイミングでリリースし続け、シングル曲のチョイスを誤り続けるようであれば、モーニング娘。’15からファン離れがますます加速してしまう。

代わり映えしないMVはすでにファンにも飽きられている

EDM路線にシフトしてからのMVに漂っているのは「マンネリ感」だ。スタジオでのダンスシーン、時折挟まれるソロリップ、そしてバックライトを浴びて踊るイメージカット。これらの映像にはコンセプトが感じられず、ただ「かっこいいフォーメーションダンスが出来るんですよ!私達!」という主張しか込められていないように、私には思える。

【ケース1】時空を超え 宇宙を超え

時空を超え 宇宙を超え1

出典:モーニング娘。’14 『時空を超え 宇宙を超え』MV

56枚目のシングル「時空を超え 宇宙を超え」のMVでは、ダンスシーンをメインにするよりも、解釈の分かれそうな深みある歌詞をなぞってストーリー仕立てにした方が、曲との一体感や親和感が生まれていたはすだ。舞台を経験したメンバーは表現力も上がっているから、きっと素晴らしいMVが出来ただろう。しかし最終的に公開されたのは相変わらずダンスとリップシーンメインの代わり映えしないMV。時空を超え 宇宙を超えは振付も正視できないほどダサいため、控えめに言っても酷い出来だ。

【ケース2】今すぐ飛び込む勇気

今すぐ飛び込む勇気

出典:モーニング娘。’15『今すぐ飛び込む勇気』MV

そして59枚目「今すぐ飛び込む勇気」においては、もはやコンセプトさえ意味不明で、何をもってあのようなMVを撮ったのか……。

今すぐ飛び込む勇気の歌詞には、水鳥みたいに飛び立とうという分かりやすいキーワードがあるのだから、せめて白か青ベースの衣装を着せ野外で撮影したほうが、どう考えたって曲の雰囲気には合っているだろう。素人の私が言うのも何だが、この曲の衣装は絶対に赤のイメージではない。申し訳程度にスモークを使って水中っぽいカットを作っても、やはり曲の世界観とのMVのチグハグ感が目立つ。それに、変な箱に腰掛けているくらいならまだ女と男のララバイゲームのように、水面にドレス姿で立っているだけのほうが分かりやすいというものだ。

YouTubeにはファンの作ったOPVが多数アップされているが、正規MVよりも凝っているし、作品としてもレベルが上だ。OPVを見た一般人が、のち正規MVを見て物足りなさを感じたとしても、なんらおかしくはない。

低予算でもメンバーの魅力が伝わるMVを作るには…?

アップフロントがMVに予算をかけないのはいつもの事だ。だが、作ろうと思えば低予算でも良いものを作ることはできる。

アイデア1

スタジオから出て野外でMVを撮影する。メンバーに8mmカメラを渡し、メンバー同士で素の表情を撮影しあったり、風景・デートっぽいカットなどプライベート感のある映像を撮ってMVに仕上げる。

例:Perfume「マカロニ

アイデア2

ワンカットの長回しでダンスシーンを撮影。失敗したその様子もカットせすMVに含める。個々のリップシーンはなく、たまにカメラに向かってメンバーがドアップするなど、ひたすらわちゃわちゃしているだけ。

例:モベキマス「ブスにならない哲学 Group Lip ver.

アイデア3

レコーディング映像を13分割する。一番低予算で、一番ファンが見たいと思っているMV。(歌割りを簡単に確認したいファンは多いのです)

例:モーニング娘。「ピョコピョコウルトラ recording ver.

アイデア4

メンバーが1人ずつ監督になりMVを撮影。完成した作品はYouTube上で人気投票。シングルにもそれぞれ1MVずつ収録して13パターン展開すれば、握手券を封入しなくても売上は期待できる。

→最下位のメンバーは罰ゲームとして全国行脚(例:生田握手会イベントへの旅

アイデア5

曲の音源と映像の素材を数パターン用意し、ファンに提供。自由にMVを制作してもらう(いわゆるOPV)。The Girls Liveの中でメンバーがMVを審査。グランプリはanother ver.としてYouTubeで配信。

→映像制作に興味がある一般人をホイホイできる。自身のブログやTwitterに作品を掲載してもらえるので宣伝効果も◎!

メディア戦略の迷走、その番組は誰に向けたもの?

シングルのチョイス、マンネリMVと取り上げてきたが、You Tubeの配信番組についても物申しておきたい。

ほとんどのアイドルがそうであるように、モーニング娘。’15もYouTubeに専門のチャンネルを開設している。配信しているのは楽曲のMV、プロモーション映像、CMスポットなど。アップフロント系列では他にも、「ハロステ」「MUSIC+」「Green Room」などの番組がある。地上波ではテレビ東京系列で、おそらくファンでさも見ていないだろう「The Girls Live」が、こっそりひっそりと放送中だ。

これらの番組内容をまとめると、こんな感じになる。

  • ハロ!ステ……モーニング娘。、℃-ute、アンジュルムなど、ハロプログループのライブ映像、舞台裏を中心とした番組。四文字熟語クイズやヘアアレンジコーナーもある。
  • GREEN ROOM……ハロプロのコンサートの舞台裏やレコーディング・ダンスレッスン風景映像などが中心。ハロステよりも舞台裏要素が強い。
  • MUSIC+……楽曲やMV製作の舞台裏を見せる番組。ファンというよりもクリエイター向け。
  • The Girls Live……様々なハロプログループのメンバーが衣装をセレクトし、その衣装を着て別のグループがスタジオライブをする。

はっきりいって、どの番組も内容がモロかぶりしている。しかも、どれもMCが2~3人でコメンター風にトークを展開するため絵面が同じで真新しさがない。GREEN ROOMやMUSIC+は舞台裏ばかり配信しているが、そういうのはDVDmagazineやシングル初回版CDの特典につけるべきであって、無料配信するとコンサートやMV撮影のメイキングなどの価値が薄れてアップフロントの金儲けコンテンツが減るだけだ。

これなら最も視聴者の多いハロ!ステを週2回更新にし、GREEN ROOMやMUSIC+をスクラップして配信番組を一本化してしまったほうがいい。要は視聴者を一点集中させる。そうすれば必然的に分散しているチャンネル登録者をまとめられるし、プロモーション効果も上がる。

あと、ハロステのヘアアレンジコーナーは「いつもやっている髪型」じゃなく「これまでやったことのないヘアアレンジに挑戦します!」という体にしたほうがいい。ヘアアレンジコーナーについては、以下のエントリーの「さいごに」の部分でかなりイライラしながら言及しているので、よければどうぞ。

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そして、視聴者がいるのかさえ分からない死に体番組「The Girls Live」は、さっさと改編してトークスキル向上に役立つような内容に作り変えるべきだ。衣装をコーディネートするだけではつまらないし、ハロステの中で毎週ド迫力のコンサート映像を配信しているのだから、わざわざあんな実力を半分も発揮できない貧相な環境でスタジオライブをさせる必要もないだろう。

とはいってもこのご時世、バラエティほど作り手にとって難しいコンテンツもそうない。昔のハロモニのようなテンションはもう受けないだろうし、ハロプロTIMEのような内容ではありふれていて地味だ。昔ほどぶっ飛んでいるハロメンがおらず、ほとんどがお利口なお嬢様タイプだから、いっそ教養系とかドキュメンタリーにちょっとバラエティ要素を盛り込んでみるのが一番いいかもしれない。民放が作っていないドキュメンタリー色の強い独自コンテンツを作っていけば、ワンチャンあるでということになるかも……いや、ならないかな……。

モーニング娘。’15を再ブレイクさせるための戦略

モーニング娘。’15を再ブレイクさせるためにはどうしたら良いのか、結構本気で考え、その一例を下に書きだしてみた。

メンバーを2グループに分け、パフォーマンスの向上と露出度UP

今の13人体制は、ステージ上がごたついてとても見にくい。メンバーがステージから落ちそう!とか、今腕が当たってなかった?とか、とにかく見ていてハラハラする。凝ったことをしている(はずの)ダンスも、あの人数の多さのせいで台無しだ。

そこで、メンバー13人をかつてのさくら組、おとめ組のような2つのグループ、あるいはシャッフルユニットのように3分割する。人数の多い今のモーニング娘。’15には、そのほうが合っているような気がする。

シングルをトリプルA面にすれば、さくら・おとめのグループ別でそれぞれ1ずつ曲、13人で歌うメイン1曲の計3曲でバランスも良い。もちろんグループ別に1シングルでも良いと思う。少人数のグループにすれば個々の歌割りと露出も増えるし、メンバーも今よりのびのびとパフォーマンスできるだろう。

佐藤や野中には英語詞を歌わせたりピアノを弾かせたりする。ダンスが得意な鞘師や石田には、ハロステダンス部のようにもっと難しいレベルのダンスを躍らせてやりたい。他のメンバーも自分の特技を活かしたパフォーマンスができる、そういう場所を今のうちから用意してやるべきだ。

グループとしての成長は、個々の個性を磨きスキルアップしない事には決してかなわない。今のモーニング娘。’15のコンサートは、与えられたことをこなすだけの面白みのないものになってしまっている。「カモン!」と「セイ!」しか言ってなくない?と、私はコンサートに行くたび心の中でそう密かに悪態をついていたこともあるくらいだ。

感情のままにアドリブを入れ、どんどん客を煽り、頭を振り乱して汗まみれになり、ステージ上を縦横無尽に駆けまわっていた、かつての娘。たち。ファンの度肝を抜くようなトークや、圧倒的なパフォーマンスから感じる唯一無二の「ライブ感」、そういう昔のモーニング娘。が持っていた自由さや闊達さを、モーニング娘。’15にももう一度取り戻してほしい。

そうしたライブ感から生まれるハプニングや感動が、会場全体の人間の心を動かし、きっとモーニング娘。をもっと大きく育てていく。ライブによって進化したモーニング娘。の姿が、今のハロメンがこぞって憧れの対象にする「高橋愛が率いたプラチナ期」なのだし、何より、それが同じ空気を共有した人間同士しか分かり得ないコンサートの醍醐味ってやつだろう。

少数人のグループに分けて活動をさせたとき、モーニング娘。’15のメンバーはもう一皮向けたパフォーマンスができるようになるはずだ。自分も主役だ!という自覚が出てくれば、先輩の顔色をうかがい、小さく縮こまっている必要がないことに気づくメンバーがきっといる。アイドルグループの皮をかぶったアーティスト集団の彼女達なら、そこからもう1段上のステップへ軽々と飛躍し、そうしてまた新しいドラマが作られていくことだろう。私が見たいのは、いつだってそういうモーニング娘。のサクセスストーリーなのだ。

まとめ

最後に言っておくが、私はモーニング娘。’15が好きだ。だからこそ、このまま暗黒期に突入せず、もっと高みに登っていってほしいと願いこんな記事を書いている。

今後、彼女達の努力だけではどうしようもない問題に対してフォローをしながら、アップフロントはモーニング娘。’15がより上を目指せるよう、しっかりとしたプロモーション展開をしてやるべきだ。というわけで、まず手始めにメンバーの体力を消耗させるだけの馬鹿げた握手会を廃止にしてみてはどうだろう。

接触商法で天下を取ったAKBは、今や多くのファンと同時に大勢のアンチも抱えている。そして彼女達の歌う曲は、握手券の獲得のみが目的になり、もはや見向きもされなくなってきている。CDを「ゴミ」に変え、目先の利益に走って音楽業界にとどめを刺した結果だ。

ハロプロエッグをハロプロ研修生に改名し、AKBと同じようにCDに握手券を封入し、卒業商法の手法もパクる……秋元康の後追いばかりをしているアップフロントとハロープロジェクトは、今のAKBの姿からも学ぶべきことがあるだろう。

※2015年12月26日、加筆・修正

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